技術宝箱
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1. 背景 環境水の浄化はいつでも重要な問題である。例えば魚から排泄されるアンモニアが、そのまま環境水にとどまると、魚自身も住めなくなる。このような水に溶けているアンモニアを取り除くのが本技術である。2. 本技術 対象とする分子の大きさにより、静電相互作用、配位子場や分子間力を用いて、分子を除去・捕捉している。今まで、リチウムイオンなどには応用してきたイオン交換体を応用し、今回アンモニウムイオン(NH4 +)を除去できる材料を開発した。ニオブ酸カルシウムの層構造の間にイオンが交換可能な無機イオン交換体をもとに、6M塩酸を用い、60℃に加熱処理することで、アンモニウムイオンに最適なイオン交換材料を完成させた。このイオン交換体について、混合液系でイオン選択性を調べたところ、表のようにアンモニウムイオンの大きな分配係数値が、強いイオン選択性を示している。表 HCa2Nb3O10 1.5H2Oのイオン選択性カチオン種分配係数ナトリウムイオン1,600カリウムイオン2,200アンモニウムイオン10,5001mM混合液 (Ini.pH = 5.2 & Fin.pH = 2.2) 100 cm 3/g-powder、1日、室温pH依存性は、pH2.2から4までは、ほぼ一定。それより高くなると吸着容量が増加、pH6付近で、最大値(34 mg-NH4 +/g)を示す。さらにpHを上げると減少し、pH8.5付近では、24 mg-NH4 +/gとなった。pH4以下では、多くのプロトンが存在するため、アンモニウムイオンの取込みが抑えられ、pH8以上では、アンモニアが生成し、アンモニウムイオンの交換を阻害する。このイオン交換性能は、平衡濃度(10 ppm)の吸着容量で比較すると、これまで最高性能の天然ゼオライト(処理済み)に匹敵する18 mg-NH4 +/gと高く、アンモニウムイオンを1 ppm以下まで低減できる。SEM写真合成したイオン交換体441 紹介する技術とポイント2 技術説明無機イオン交換体を用いたアンモニウムイオンの除去方法アンモニウムイオンを10 ppm以下にイオン交換体で水中のアンモニウムイオンを取り除く264中小企業のための技術宝箱

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