技術宝箱
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技術紹介38. 焼結温度の異なる材料を一体成形する焼結技術1. 特長Ti3SiC2-TiC系二相材料の合成において、その組成割合を任意に制御できる反応焼結技術を開発した。図1は、出発原料となるTi粉末およびSi粉末の配合割合をそれぞれモル比で1に固定しながらTiC粉末の配合割合を1.8から7.0の範囲で変化させたときのX線回折パタンを示したものである.また、図2は、この回折パタンから計算したTi3SiC2-TiC系二相材料におけるTiCの質量割合を示したものである.これらの結果から、同じ出発原料を用いながら、その配合割合を調整するだけでTi3SiC2の単相からTiCの質量割合が50%を超えるまで自在にTi3SiC2-TiC系二相材料の組成割合を制御できることを確認できる.また、被焼結体の焼結温度を部位ごとで任意に変えることのできる焼結法を開発した.トラベリングゾーンシンタリングと呼ばれるこの方法を上述の材料に適用することによって、TiCの組成割合が連続的に変化するTi3SiC2-TiC系傾斜機能材料を合成することが可能となった.一例として、一端の組成をTiCリッチとし、他端に向けて徐々にTi3SiC2の割合を増やして最終的にはTi3SiC2単相となるように組成を傾斜させることにより、先端がきわめて硬く、胴体は靱性に富み、また単相部分においては機械加工も可能となるような材料への応用が期待できる.2. 開発の背景などタングステンカーバイドは、その優れた硬質性から超硬工具や金型として幅広く使用されており、日本の産業を支える重要な材料である。しかしながら、近年、その原料であるタングステンの供給不安が急激に高まっており、タングステンカーバイドに替わ概要本技術は、金属やセラミックスなどの焼結技術に関するものである。好適な焼結温度が異なる組成をもつ原料粉末群を同一の型内に充てんし、それぞれの原料粉末組成に対して最適となるよう任意の温度分布で反応焼結することにより、傾斜機能材料を一体成形する方法を提供するものである.図2 焼結したTi3SiC2-TiC系二相材料におけるTiCの質量割合図1 焼結したTi3SiC2-TiC系二相材料のX線回折パタン230中小企業のための技術宝箱

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