技術宝箱
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技術紹介36. 貫通した細長い孔をもつセラミックス多孔体1. 特長図にゲル化凍結法により作製したアルミナ多孔体の焼成温度に対する気孔率を示す。粉体量が異なるスラリーをゲル化し、-20あるいは-50℃で凍結し作製した。下図のA10、A20はスラリー調整時のアルミナ体積含有率がそれぞれ10%、20%としてゲル体を調整し、-20、-50は凍結温度を示す。スラリーの粉体濃度10 vol%のゲルから得られた多孔体(凍結温度-20および-50℃)の気孔率は1200-1400℃で89-84%(相対密度11-16%)および89-85%(相対密度11-15%)であった。同様に20%の粉体量のゲルから得られた多孔体(凍結温度-20および-50℃)の気孔率はいずれも78-70%(相対密度22-30%)であった。高気孔率を要する場合は収縮の少ない低温で焼成し、気孔率より強度を要する場合は高温で焼成する事により強度を向上させる事ができる。 収縮の少ない低温で焼成した際には、その相対密度はゲルの粉体含有量とほぼ一致している。これは、ゲル中の水分が凍結により氷結晶へ、乾燥により氷結晶が細孔へと確実に変換していることを示している。本手法によりゲル中の粉体量を変えることで、気孔率を細かな範囲で正確に制御できる。一方、閉気孔率はいずれの多孔体も1%以下であった。ゲル化凍結法では、孤立孔は形成しにくく、連通性が良好な細孔が形成されていることを示している。下図に粉体量10 vol%のゲルから作製した炭化ケイ素多孔体(A-C:-10℃で凍結、D-F:-40℃で凍結)のSEM観察結果を示す。それぞれ上から順に凍結概要ゲル化凍結法は、スラリーのゲル化と凍結を経てセラミックス多孔体を成形する手法である。一方向に配向させた氷を細孔源とするため、連通性に優れる細孔や、超高気孔率体を低環境負荷で提供できる。また、スラリー濃度により気孔率、凍結温度で細孔径を精密にコントロールする事もできる。X線CTによる内部観察炭化ケイ素の例孔が貫通しているのがわかる218中小企業のための技術宝箱
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