技術宝箱
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技術紹介35. 電気で切替 調光ミラー1. 特長「調光」は光学的な性質をコントロールすることを言う。調光ミラーデバイスもその状態の切り替えを用いて、光学特性をコントロールすることができ、以下のような特長がある。・数ボルトの電圧印加で反射(鏡)状態と透明状態を可変 窓から入る太陽エネルギーをスイッチングにより効果的にコントロールできる(可視光のみならず赤外光に至る幅広い波長範囲を可変)・固体薄膜材料のみで構成 作製手法としてマグネトロンスパッタ法のみを用い、室温で作製可能。・基材の選択性 用途に応じて、ガラスやプラスチックなど樹脂シート(PET、PEN、PCなど)を任意に選択できる。2. 構成ガラスや樹脂など透明基材上に積層された多層薄膜からなり、主構造は酸化物薄膜(透明導電膜、イオン貯蔵層、固体電解質層)と金属薄膜(触媒層、調光ミラー層)である。イオン貯蔵層は水素イオンを含んだ形態を取っており、簡易的に透明導電膜と調光ミラー層間に電極を接続し数ボルトの電圧を印加すると、イオン貯蔵層中の水素イオンが調光ミラー層へ導入され、調光ミラー層と化学反応を生じ、金属水素化物が生成される。この金属水素化物は透明状態を示すため、この反応を利用して金属状態(鏡)と金属水素化物状態(透明)を切り替えることができる。電圧のプラスマイナスを反転させると、容易に元の状態に戻る。概要産総研で研究開発を行っている反射型 調光材料(調光ミラーデバイス)は電気的に鏡状態と透明状態を可逆的に切り替えることができる。そのため、複層ガラスあるいは遮熱フィルム用コーティング膜として利用すると、室内へ流入する太陽エネルギーをコントロールすることが可能となる。一般住宅、ビルや自動車、バス、電車、航空機など移動用車両に適用すると、非常に大きな冷房負荷削減効果が期待できる。調光ミラーデバイスの実用化に向け、調光特性(切り替え速度、繰り返し耐久性、耐候性など性能安定性)向上に取り組み、新規省エネルギー窓ガラス・フィルムの創出を目指す。212中小企業のための技術宝箱
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