技術宝箱
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技術紹介33. さわった物体の材質がわかる触覚センサ1. 特長1. ロボットハンドが接触物を把持すると同時に力学的特徴を触覚センサの変形として転写し、その変形様式が材質の弾性特性や粘弾性特性に依存することを利用し接触物の硬さ・柔らかさを分析する、いわゆる、「定性分析」する機能に焦点を当てたことが最大の特徴である。2. センサの変形挙動を最低2点の歪み情報から近似できるためセンサ構成は簡素である3. 接触によってどのように変形するのかという変形挙動を検出する手法は人と同じ原理に基づくと考えられ、ロボットにヒトと同じ知覚を形成させることが可能になると考えられる2. 原理硬さの異なる二種類の対象物に触覚センサを接触させた模式図で説明する。模式図の右側には柔らかい物体、左側には硬い物体が描かれており、接触中心に発生する垂直応力の最大値p0が同一となる負荷条件になっている。その接触円内の接触応力分布は、rを接触円の半径方向の距離としてp0(1-(r/a)2)-1/2と書け、右側の柔らかい物体の場合は接触面積が広いためなだらかとなり、一方の硬い物体(左側)では鋭い分布となる。ある定められた条件で接触した際には、接触物に発生する応力分布あるいは歪み分布が対象物の硬さ(変形に対する抵抗特性)に応じて一義的に定まること、逆に、応力分布あるいは歪み分布の計測から対象物の硬さを推定できる。この変形に対する抵抗特性を示す指標として、硬さパラメータHQを定義する。この硬さパラメータは接触中心における歪みε 0と中心から離れた位置(x1)での歪みε 1を用いて、接触中心近傍の歪み分布(応力分布)の勾配を近似しており、数値の大きいものほど鋭い分布であること、すなわち硬い物体であることを示す。ヤング率Eが既知である無機素材を用いたモデル実験をおこなった。硬さパラメータHとヤング率Eとの良い相関関係が得られた(左図)。さらに、柔らかい物体(溶けたキャンディ)から概要産総研では、人支援型ロボットで用いる触覚センサのうち、接触対象物の材質を瞬時に認知できるセンシング技術を研究開発してきた。今回、開発した技術により、ロボットの指の曲面上の2点の弾性接触変形から接触対象物の硬さ・柔らかさを定量し、材質を見分けることができるようになった。200中小企業のための技術宝箱

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