技術宝箱
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技術紹介31. エッチングせずにゴム表面にも密着する無電解めっき1. 技術紹介無電解めっきは、プラスチック等の絶縁材料や複雑な形状の部品への金属めっき方法として、産業において不可欠な技術である。従来技術では、めっき被膜の密着性を得るための表面処理が必要であり、プラズマ処理や酸化剤による化学処理が行われていた。本研究では、プラスチック基材への前処理なしに高い密着性が得られる無電解めっき法を開発した。2. 特長ポリマーで保護された貴金属コロイドを無電解めっき用触媒として用いることにより、樹脂基材を粗化エッチングすることなく高い密着性を得ることが可能であることを見いだした。樹脂基材をカチオン性界面活性剤に浸漬し、表面を正に帯電させると、負に帯電している貴金属コロイド粒子が静電気的作用により,表面に吸着する。直径約3 nmのPt, Pdナノ粒子を均一かつ高密度に吸着させることが可能であり、極めて高い触媒活性を示す。めっき後に、樹脂の溶融温度より低い150~200℃で5分間熱処理するだけで、高い密着性を得ることができる。PETやカプトンなど平滑な樹脂フィルムへの金、銅めっきでは、界面剥離を起こさない強力な密着力を得ることができる。このような高い密着性は、高分子で保護された金属ナノ粒子が高密度で樹脂/金属界面に介在することにより、強いアンカー効果が得られるためと推測される。概要無電解メッキの触媒として、粒径数nm(ナノメートル)の金属ナノ粒子が水中に分散した白金またはパラジウムコロイドを用いる。これにプラスチックなどの基材を浸漬すると、金属ナノ粒子が基材表面に均一に固定化される。ナノ粒子を表面に固定化した基材を、無電解めっき液に浸漬すると、ナノ粒子の触媒作用により、常温、短時間で金属被膜が形成する。188中小企業のための技術宝箱
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