技術宝箱
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技術紹介28. 微量物質を張り合わせ有機ELで光らせる1. 背景高分子有機ELは、印刷などの塗布プロセスを用いることによって大面積の素子を安価につくることが期待されている。しかし、現時点では、低分子を真空蒸着で積層することにより有機EL素子は実用化されている。塗布プロセスが用いられないのは、高効率な発光に必要な多層の薄膜構造を高分子溶液の重ね塗りにより作製すると、溶媒による膜間の混合が起こってしまうためといわれている。そこで、別々に作製した高分子薄膜を貼り合わせる技術(ラミネーション)を応用した。ラミネーションは、食品などの包装に使われているポリ袋の端を帯状に閉じるのに使われている。有機ELだけでなく、有機太陽電池や有機トランジスタなど有機薄膜を重ねた構造を持つデバイスにも応用できる。2. 作成方法貼り合せは陽極側と陰極側の部品を別々に作製した後におこなう。ITO膜をコートしたプラスティック基板(図の基板A)の表面にバッファー層として導電性高分子(PEDOT : PSS)をスピンコートしたものを陽極側の部品として用意する。高分子発光材料として青色発光するポリフルオレン(PFO)のトルエン溶液をフッ素樹脂(PTFE)表面(図の基板B)にスピンコートし、60-80 nm厚に成膜した概要産総研では、有機ELを貼り合せて作製する方法を研究開発している。貼り合せ法には、以下の特長がある 1.塗布プロセスで作製した薄膜を乾燥させてから積層するので界面が保たれる 2.貼り合せの際に層間に分子を挟み込むことができる 3.貼り合せの部品を用意すれば、短時間で有機EL素子を作製できる今回開発した技術により、例えば有機EL用に新たに合成した燐光材料分子の機能を短時間で評価することが可能になった。170中小企業のための技術宝箱

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