技術宝箱
160/333

技術紹介26. 樹脂封止しない超高出力LED1. 特長本技術は全反射成分の光を直接取り出すことができるため、従来技術で問題となっていた多重反射に伴う光量ロスが少なく、(裏面ミラーを取り入れることによって)従来技術の限界を超える光取出し効率の実現が期待できる。さらに、本技術は全反射現象を抑制するのではなく、逆に利用しているので樹脂でチップを封止する必要が全くない。従って、本技術を利用することによって、超高効率で樹脂封止を必要としない次世代の一般照明用LEDの実現が可能である。エバネッセント光の結合効果の観測に用いた試料は、下図に示す微小なV字型の溝を持つヒ化ガリウム(GaAs)基板上に有機金属気相成長法を用いてGaAs/ヒ化アルミニウム・ガリウム(AlGaAs)系のナノ構造を形成したものである。V字型溝間の平坦部分の下に形成したGaAs量子井戸層(図で赤い部分)の発光特性をフォトルミネセンス法で評価したところ、平坦面の横幅Wを1 μm以下に狭くすると、発光の強度が急激に増大することが分かった。また、データを定量的に解析した結果、平坦面の横幅が約0.5 μmの試料の場合、量子井戸で発生した光の40~50%が発光材料から空気中に放出されていることが判明した。これは従来の平坦基板を用いた半導体発光材料に比べて20倍も高い効率である。概要チップ表面に微細なリッジ構造を形成することにより、従来技術で取り出しが不可能であった全反射成分の光をリッジ表面において発現するエバネッセント光(全反射に伴い発生する界面近傍にしか存在しない特殊な電磁波)の結合効果によって直接取り出す技術の開発に成功した。すなわち、下図に示すように、活性層で発生した光がリッジ構造の傾斜面に到達すると、全反射に伴い二つの界面においてエバネッセント光が生成される。二つのエバネッセント光はリッジ頂上で互いに結合し、非常に高い効率で伝播光に変換され、空気中に放出される。GaAsおよびAlGaInP系材料を用いた研究で、全発光量の半分近くがこの現象によって直接取り出されている。研究に用いた試料の模式図光入力による光出力の確認シミュレーション158中小企業のための技術宝箱

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です