技術宝箱
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技術紹介25. 光導波モードセンサーで微量物質を測る1. 特長微量・微小物質の検出を行うセンサーには、様々なものがあり、例えば、質量分析器が良く知られている。また、生体分子の検出においては、エライザ(酵素結合免疫吸着法)、PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応。DNAを増幅する手法の1種)、イムノクロマトグラフィー、SPRセンサー(表面プラズモン共鳴法)などが挙げられる。我々が開発している光導波モードセンサーは、SPRセンサーと似た光学系を用いているが、SPRセンサーと比較して・感度が1~2桁高い。・チップの物理的安定性が高く、表面スクラッチに強い。・チップの化学的安定性が高く、ハードな環境下(強腐食性など)での検出も可能。・表面の加工が容易で、多彩な機能化が可能。といった特徴を持つ。様々な手法との性能比較を下記の表にまとめる。可搬性スピード感度定量性コストリユース多項目屋外利用イムノクロマト◎○△×◎×××◎SPR○○△○△○○△導波モード◎○○○○○○◎PCR××◎×××-××エライザ×××○○△×××質量分析××△◎◎××-◎×◎ 非常に良い、○ 良い、△ 幾分悪い、× 悪い、×× 著しく悪い表に示したように、光導波モードセンサーは、従来のような実験室内や試験センターなどでの検出試験用途のみならず、野外でのその場観測にも適したセンサーである。2. 本技術の背景我々が開発している検出技術は、表面プラズモン共鳴を用いたセンサー(SPRセンサー)と非常に近い測定原理を持っており、ほぼ同時期に開発された。SPRセンサーは現在様々な分野での検出器として、国内外の複数の企業からいろいろなタイプの製品が販売されている。一方で、光導波モードセンサーは全く実用化されてこなかった。その原因は、検出部の複雑な層構造に原因があると考えられる。SPRセンサーは、平板ガラス表面に金の薄膜を形成するだけでチップを作ることができるが、光導波モードセ概要低濃度な微小物質の検出技術が様々な分野で必要となってきている。例えば、医療現場における診察では、その症状を引き起こしている原因物質の特定は適切な治療に不可欠である。また、健康管理においても、特に糖尿病などの生活習慣病予防においては、常日頃健康状態を正確に把握するために、体内における複数のバイオマーカーの有無や濃度を高感度かつ正確に測定することが要求されてきている。野外においては、人体に害を与える様々な物質、例えばウイルスや大腸菌などの病原菌、重金属・オイルなどの汚染物質、を発生現場(オンサイト)で検出し、それらの除去、拡散防止を行うことが必要である。その為には、耐環境性が高く持ち運びできる高感度な物質検出センサーが必要となる。我々は、これらの要求に答える物質検出センサーの開発を行っている。測定例。たんぱく質の吸着を測定した際の信号(反射率特性)の変化。152中小企業のための技術宝箱
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