技術宝箱
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技術紹介24. ガラスなどの透明材料の大面積・深溝レーザー微細加工1. 特長LIBWE法は、紫外光をよく吸収する色素溶液を加工対象に接触させた状態で、紫外レーザーを溶液と逆方向から照射し、色素溶液のアブレーションによって間接的に石英ガラス表面を微細加工するレーザー加工法である。LIBWE法では高濃度の色素溶液を用いるので、溶液層に数μm程度しかレーザーは侵入できず、この薄い層内で完全に吸収される。したがって、レーザー照射によって色素分子の高密度励起状態が石英界面近傍に局所的に形成され、溶液のアブレーションが起こり、過渡的な高温・高圧状態によって石英ガラス表面層が所定量エッチングされる(1-30 nm ・ pulse -1)。他手法と比較して、フォトレジスト保護膜層形成工程や除去工程、あるいは真空装置などが不要であるため、前処理や後処理が著しく簡単になる。エキシマレーザー露光マスク縮小型と全固体紫外レーザー/走査鏡照射型の二種類のプロトタイプ加工装置が完成している。これらの装置では、焦点位置を連続的に表面(固液界面)から内部方向に補正しながらレーザーパルスを多数照射すると、高アスペクト比の深溝加工が可能である。これは、溝加工が進むにつれて深溝部分に色素溶液が入り込むにもかかわらず、光活性化領域が数ミクロン厚しかないために、加工済の溝壁表面に損傷を与えないことに起因していると考える。背面方向からのレーザー照射が有利に働いている興味深い実験結果である。 マスク縮小型では、投影露光法の特長である高い寸法精度が得られ、平面分解能の最高値として、1 μmサイズの正方格子状の微細加工や0.75 μm間隔の回折格子を1×1mmの面積に一括作製することができた。走査鏡照射型ではCAD加工データから直接、高速転写加工ができ、パターン・マスクなどを概要石英ガラスなどの透明材料表面を微細加工する技術は、光デバイス研究開発のキーテクノロジーのひとつである。しかし、このようなフォトニクス材料は一般に硬質で加工が難しく、その上大面積での加工が求められている。今回開発した装置は、産総研が独自に開発したレーザー誘起背面湿式加工法(LIBWE法:Laser-induced backside wet etching)という高品位表面加工法を用いたもので、寸法精度の高い露光マスク縮小型と、試作品が簡単にできるレーザー走査照射型の二種類である。これらの装置により、従来のリソグラフィー加工では不可欠であった保護膜層が不要な石英ガラスの大面積迅速試作加工が可能となった。146中小企業のための技術宝箱

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