技術宝箱
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1. 今までの技術酵素・タンパク質を利用した物質製造プロセスでは、通常ひとつの酵素が使われている。一方、2種類以上の酵素・タンパク質を用いた複雑な反応経路の構築が、バイオ技術分野における触媒反応等の化学反応プロセスへの応用が期待されている。しかし、複数の酵素を同時に利用するには、タンパク質間の凝集体形成やタンパク質分解酵素等の外的環境要因によりタンパク質が失活し、反応が阻害されることが多かった。2. 本技術メソポーラスシリカの規則性細孔の内部に異種のタンパク質を内包することで、タンパク質の立体構造を安定に保持した状態で単分散集積する。本手法では、10 nm以内に近接した状態で集積可能で、異種タンパク質間の反応効率(例えば、エネルギー移動効率(図1、2))を向上でき、さらに外的要因によるタンパク質の分解などを抑制しながら安定に酵素活性を発現できる。本技術は、生体機能を模倣した異種酵素・タンパク質による新しい反応場・化学反応システムの構築に寄与できる。022 技術説明1 紹介する技術とポイント シリカ細孔内へ複数タンパク質(酵素) を配列することにより新機能の発現①直径2~20 nmの細孔内部に機能の異なる2種類のタンパク質を固定化② 細孔内への高密度集積により異種タンパク質間のエネルギー移動効率および安定性の向上を実現シリカ細孔を利用したタンパク質工場メソポーラスシリカ:シリカを材質として作製された均一で規則的な細孔をもつ物質。直径2-20 nm程度の細孔と大きな比表面積を持ち、タンパク質やDNAなどの巨大分子を取り込める図2 緩衝溶液中でのメソポーラスシリカ―タンパク質複合体(未励起時)a)シリカ粉体のみb)sGFPを内包したシリカc) DsRedを内包したシリカd) sGFP及びDsRed(異種タンパク質)を内包したシリカ図1 メソポーラスシリカの細孔内部に吸着した(1)蛍光性異種タンパク質(sGFP及びDsRed)の間で生じる蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)および(2)発光性酵素(Rluc)と蛍光性タンパク質(sGFP)の間で生じる生物発光共鳴エネルギー移動(BRET)12中小企業のための技術宝箱

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