技術宝箱
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技術紹介01. ゼオライト膜を使った水の除去2. 本技術の背景ゼオライトは、窒素や酸素分子と同じ大きさで、規則的に配列したミクロ孔を有し、一般に耐熱性が高く、化学的にも安定なものが数多く得られることから、さまざまな分野で利用されている。ゼオライトの骨格構造は、Siの一部がAlに置換したアルミノシリケートであり、分子オーダ(3~10Å程度)の細孔を有し、立体選択的な吸着作用を持つことでモレキュラーシーブ(分子ふるい)としての機能を有する。Si、Al、Oの比率を変えることで、性能が変わる。天然に産出するゼオライトの他に、これまでに多くのゼオライトが合成されており、たとえば固体酸触媒、分離吸着剤、イオン交換剤等の分野で、幅広く用いられている。このゼオライト粉末をセラミックスや金属の多孔質基板支持体上に製膜したゼオライト膜は、ゼオライトの分子ふるい作用や親和性(疎水性又は親水性)を利用し、浸透気化法によるアルコールと水の分離やガス分離膜として用いられるようになってきている。さまざまな多孔質支持体を用いたゼオライト膜およびその製造方法が提案されている。ゼオライト膜の合成技術の向上により、蒸留法にかわる分離法として実用化されたA型ゼオライトの親水性を利用したアルコール水溶液からの水選択透過によるアルコールの濃縮方法がある。ただ、A型ゼオライトは耐酸性が、他の高シリカ型ゼオライトと比較して劣るため、酸性の混合物と水の分離に使用することは困難であった。また、ゼオライトは、可塑性に乏しいため、膜化する場合、ほとんどの場合は、水熱合成法、すなわち大量の水とアルミニウム源、シリカ源、アルカリ金属、アミン類などの有機結晶化調整剤を適宜目的の生成物ゼオライト組成になるように調合し、オートクレープ等の圧力容器にそれらを封じ込めて、アルミナやムライトなどの多孔質基板やチューブを共存させて過熱することにより、それらの基板上にゼオライト膜を合成している。これらは既存のゼオライト膜であり、優れた特性をもつゼオライト膜の開発が強く望まれており、本発明のゼオライトが考案された。 現在では、バイオマスエタノールの濃縮、半導体の洗浄工程で用いられるイソプロピルアルコールの回収など、ゼオライト膜は主に脱水プロセスの一端を担っている。これらのプロセスで用いられるLTA型ゼオライト膜は、高い透過性・分離性を有しているものの、耐酸性が乏しく、pHが6程度の水溶液の分離に適用することはできない。また、作製したゼオライト膜の約50%は、充分な分離機能を発揮できないとも言われている。これは、ゼオライト膜が多結晶体として形成されるので、分子がゼオライト細孔だけでなく結晶粒子間の空隙内を拡散するためである。図1 各種ゼオライトの骨格構造(a)MFI、(b)LTA、(c)PHI、(d)MER環境・エネルギー9

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