産総研 研究組織と概要
3/56

産総研は、平成13年に旧工業技術院の15研究所等を統合してできた研究所です。発足後は、持続発展可能な社会の実現に貢献するという目標のもと、「本格研究」(基礎研究の成果を社会に繋ぐため、基礎から実用化まで連続的に研究を行うこと)を実施することで、研究開発を進めるとともに、その成果を社会に繋ぐための取組みを行ってきました。その産総研も、現在は第3期を迎えることができ、その計画を実行しているところです。 第3期(平成22~26年度)は、第1期(平成13~16年度)、第2期(平成17~21年度)の取り組み、実績などを踏まえ、「21世紀型課題の解決」「オープンイノベーションハブ機能の強化」の2つをミッションとしています。 「21世紀型課題の解決」は、我が国の新成長戦略にも述べられているグリーン・イノベーション、ライフ・イノベーションなどに貢献するものです。人類は、これまでの科学技術、産業の発展によって大きな恩恵を受けている反面、環境、資源、倫理面などでの新たな課題にも直面せざるをえないようになっており、単なる市場拡大や利便性追求に資するだけでなく、新たな課題にも配慮したバランスの取れた発展を志向しなければなりません。第3期の産総研の研究開発は、このような取り組みを先導し、支えるものです。 また、「オープンイノベーションハブ機能の強化」は、産総研の「人」と「場」を活用する形での産学官連携の推進により、研究開発・技術評価・標準化を促進するものです。これまでも大学、公設試験研究機関、企業などとの1対1またはコンソーシアムによる連携、共同研究組織形成による連携、データベース連携などを行ってきましたが、技術研究組合への参加など、よりオープンで積極的な大型連携も加えていくことになります。産総研は、昨年度までに16の技術研究組合に参加するとともに、大型連携として「つくばイノベーションアリーナ」等を進めています。 東日本大震災から一年余りが経過しました。震災では、産総研自身も被害を受けましたが、迅速に復興対策を行い早期に研究体制を再構築した結果、現在では活力を取り戻したと感じています。さらに、今年は震災復興策の一つである「再生可能エネルギー研究開発拠点」の建設が本格化します。今年中に設計を終え来年工事を始める予定ですが、施設では、多様な研究が行える実験室、技術交流、人材育成のためのスペース等を設けるだけでなく、施設自体も太陽光発電、地中熱空調、自然採光などを取り入れ、自立性、省エネルギー性の高いものにする予定です。内外の研究機関、大学、企業からの多様な研究者・技術者が再生可能エネルギーの科学技術イノベーションにチャレンジするために集まってくる拠点としたいと思っています。我が国産業界が6重苦(円高、高い法人税、貿易自由化の遅れ、労働規制、温室効果ガス抑制、電力不足)にある中、産総研としても我が国の省エネ・省資源に自らの研究活動等の中でも貢献していくとともに、我が国産業の応援をする私たち産総研は、「社会の中で、社会のために」という理念のもと、自らのミッションの達成と、今後発生する新たな要請に積極的に対応することで、持続発展可能な社会の実現に貢献していきます。(平成24年4月)独立行政法人 産業技術総合研究所理事長野間口 有持続発展可能な社会の実現に向けてー新たな時代を担う産総研、第3期実行中ー02研究組織と概要

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です