2012年研究カタログ
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■ 研究担当:大島永康/オローク ブライアン/木野村淳/大平俊行/鈴木良一 ■ 計測フロンティア研究部門 極微欠陥評価研究グル-プ ■ 連携担当:齋藤直昭 陽電子ビームを用いた先端材料の極微欠陥評価研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財 ●電子加速器を用いた世界最高性能の陽電子ビーム材料評価施設 ●材料特性を左右する原子空孔・ナノメートルサイズ空隙の実環境“その場”分析が可能 ●原子空孔・ナノメートルサイズ空隙の制御による先端材料の開発支援 機械的特性や電気的特性など高機能材料のさまざまな特性は、原子~ナノメートルサイズの空隙に左右されるため、材料開発時にはそれらの評価が重要です。これらの極微欠陥の評価は一般に難しいため、新たな計測ツールの開発が望まれていました。素粒子の一種である陽電子は物質中で消滅しますが、消滅するまでの時間は空孔や空隙のサイズなどで大きく変化します。陽電子を用いて極微欠陥の評価を行うために、世界最高強度のマイクロビーム発生装置を開発し、電子デバイスや機能性高分子膜等の先端材料の開発支援をしています。 電子加速器を用いて発生した高強度陽電子ビームを直径数十マイクロメートルにまで集束して試料に入射し、そこでの陽電子寿命を測定する装置を開発しました。陽電子プローブマイクロアナライザーと呼ばれるこの装置は、陽電子ビームを2 次元走査し入射エネルギーを変えることで,陽電子寿命の三次元マップを得て空孔欠陥マップに変換することができます。また、陽電子ビームを薄い真空窓を通して大気中に引き出すことで、実環境にある試料の原子空孔や分子間空隙を“その場”分析することもできます。金属・半導体・高分子材料に適用可能です。●金属材料の空孔型欠陥評価(塑性変形、疲労破壊、水素吸蔵、水素脆化、照射損傷他)●半導体デバイス関連物質の空孔型欠陥評価(イオン注入欠陥、メカニカルマイグレーション他)●高分子材料の自由体積評価(逆浸透膜、ガスバリア膜、変形、劣化他)謝辞:本研究の一部はNEDO「省水型・環境調和型水循環プロジェクト」の援助により遂行されました。参考文献:W. Zhou et al., Appl. Phys. Lett. 101, 014102 (2012);陽電子プローブマイクロアナライザー概略図高分子薄膜中自由体積の“その場”評価例020406080100ポジトロニウム寿命 [ナノ秒]相対湿度 [%]半径 [ナノメートル]高分子薄膜基板分子間のすき間0.81.21.62.02.40.100.150.200.250.30[高湿度]多量の水分子で分子鎖が動きやすくなり分子間のすき間が拡大[低湿度]少量の水分子ですき間が埋まるとともに分子鎖が結合[乾燥]初期状態分子間のすき間基板高分子薄膜相対湿度(%)半径(ナノメートル)ポジトロニウム寿命(ナノ秒)[乾燥]初期状態[低湿度]少量の水分子ですき間が埋まるとともに分子鎖が結合[高湿度]多量の水分子で分子鎖が動きやすくなり分子間のすき間が拡大● 研究拠点つくば中央401計測・計量標準分野第4会場S-46S-46

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