2012年研究カタログ
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■ 研究担当:山下健一/宮崎真佐也 ■ 生産計測技術研究センター 生化学分析ソリューションチーム■ 連携担当:菅原孝一 タンパク質の単結晶を1個だけ得る方法研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財 ●小さな液滴を用いることで、1個だけ、または離ればなれに単結晶を生じさせる技術 ●タンパク質の種類に応じて、単結晶作成に適した微小液滴の大きさを計算可能 ●多様なタンパク質の簡単な立体構造解析から医薬品開発等への貢献に期待 結晶構造解析によりタンパク質の立体構造を知ることは、構造生物学における基盤的知見であり、医薬品開発等の産業応用においても重要です。近年、機器の発達により、大きな単結晶を作製することよりも、1個だけ、または離ればなれの単結晶を得ることのほうがより重要になってきています。今回、微小液滴を用いることで、このような要求を満たす技術を開発しました。液滴が小さくなると内部の液体が動きにくくなり、宇宙空間など微小重力下での挙動に類似してくることに着目した技術で、扱いやすい微小重力代替環境を提供する技術です。 微小液滴の調製には、マイクロリアクターを用いました。微小液滴内では内部対流が抑えられ、溶解しているタンパク質の移動は単純拡散だけであること、拡散律速によって結晶成長していることを実験的に確認後、この2点を基に理論的な検討を行い、1個の結晶を得るための液滴サイズを、対象タンパク質の初期濃度と拡散係数から求める計算式を得ました。実際の実験結果と計算値はおおむね一致しています。この技術による単結晶調製では、1個目の結晶核が発生し、結晶が成長するにつれ、その周辺部においてタンパク質濃度が薄くなり、2個目の核発生を抑制します。●作った結晶を取り出さず、そのままX線回折測定● 結晶成長過程の制御である本技術と、結晶核発生制御技術との融合による高度化● 特許出願情報 特願2011-258194 (2011/11/25)「結晶成長用容器、液滴調整器具および結晶取得方法」謝辞:本研究開発は、(独)科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業(CREST)研究課題「マイクロ空間場によるナノ粒子の超精密合成」の一環として行われました。従来法(バッチ法)と本技術による単結晶のでき方の違い結晶を取り出さずにX線回折測定を行った結果(SAGA-LSにて)X線拡大200 µm200 µm360 µmバッチ法57 nL2 nL54 nL● 研究拠点九州センター391計測・計量標準分野第1会場S-36S-36

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