2012年研究カタログ
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■ 研究担当:宮沢哲/椎名祥己/川西祐司 ■ ナノシステム研究部門 ソフトデバイスグループ■ 連携担当:太田敏隆 重水素標識による色素の耐久性向上研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財 ●マイクロ波を利用した、高速かつ汎用性の高い重水素化技術を開発 ●電子材料、医農薬等の各種有機物質の重水素標識が可能 ●発光効率と耐久性に優れたりん光イリジウム錯体を提供 重水とマイクロ波による簡便な同位体標識技術の開発と重水素の利点を生かした機能材料の高性能化を進めています。次世代の表示素子、照明として期待されている有機発光材料の発光効率と輝度半減寿命を、重水素標識により向上できることを検証しました。発光デバイスの内部は、通常の有機物が不得手とする酸化/還元の繰り返しという過酷なプロセスにさらされるため、耐久性の向上が大きな課題です。重水素は炭素との結合安定性に優れることから、重水素標識による種々の課題解決に取り組んでいます。 マイクロ波を利用した芳香族化合物の重水素化技術を用いて、有機EL用ドーパントとして期待されている種々の重水素化イリジウム錯体を合成しました。なかでも、緑色の発光を有するfac-Ir(ppy)3において、重水素標識体(D体)の溶液中における光物理過程を詳細に調べたところ、D体の絶対発光量子収率が非標識のH体と比較して約5%向上することが明らかになりました。さらに、ELデバイスとしての特性差を検討したところ、D体の使用により長い輝度半減寿命を示し、耐久性の向上が確認できました。重水素標識は色素に高性能・高耐久性を付与する有用な技術と考えています。●種々の重水素標識色素の提供●色素増感太陽電池(DSSC)用色素の耐久性向上●マイクロ波加熱化学合成技術● 特許出願情報:特開2009-184928「重水素化された芳香環又は複素環を有する化合物の製造法」(PCT/JP/2009/051643)謝辞: 本研究の一部は、NEDO「革新的マイクロ反応場利用部材技術開発」の成果です。RGYBの発光を有する重水素化イリジウム錯体発光デバイスの輝度半減寿命評価● 研究拠点つくば中央314ナノテクノロジー・材料・製造分野第6会場N-57N-57

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