2012年研究カタログ
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■ 研究担当:浦田千尋/穂積篤 ■ サステナブルマテリアル研究部門 高耐久性材料研究グループ■ 連携担当:粂正市 フッ素を用いない環境に優しい表面処理技術研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財 ●有機フッ素化合物を用いない環境に優しいはつ油処理 ●油滴の動的挙動制御により優れた滑油性を実現 ●金属光沢やガラスの透明性を維持したまま処理が可能、前処理不要、大面積処理可能 フッ素系化合物はその低い表面エネルギーから、油滴をはじく表面処理剤として広く利用されています。特に、マイクロ/ナノオーダーで表面を凹凸化した後、フッ素処理するとはつ油性は著しく向上します。しかしながら、フッ素系化合物は人体・環境への負荷が指摘されており、本物質群に対する規制も年々厳しくなっているため、非フッ素系化合物 (生物と同じ脂肪族化合物) を利用した新しいはつ油処理が求められています。 二種類のシラン化合物 (大・小) を交互に液相で反応させ (ハイブリッド化)、ガラス板表面に透明かつ平滑なハイブリッド膜を形成しました。大きなシラン分子のみを用いて作製した単分子膜では、シラン分子が密に充填するため分子の運動性が低くなり、液滴の除去性能は悪くなります。一方、小さなシラン分子と大きなシラン分子を併せて用いると、小さなシラン分子が大きなシラン分子間の距離を制御する“ナノスペーサー”として機能し、大きなシラン分子の分子運動性が向上することが明らかとなりました。本ハイブリッド膜と単分子膜を用いて、油滴の除去性能を比較したところ、ハイブリッド膜表面の油滴は、ガラス板を傾けるとスムーズに転がり落ちました。一方、単分子膜上の油滴は濡れ広がり、ガラス板を傾けても表面に留まりました。本手法はガラス表面のみならず、種々の素材 (金属や木材) 表面への塗布も可能です。●各種基板の表面処理に関する技術●各種基板の濡れ性評価技術● 特許出願情報:特願2012-053015 (2012.3.9)特願2011-201082 (2011.9.14)「有機-無機透明ハイブリッド皮膜とその製造方法」図1ハイブリッド膜のイメージ図傾斜写真1 傾斜前後の油滴の挙動(左:単分子膜、右:ハイブリッド膜)● 研究拠点中部センター310ナノテクノロジー・材料・製造分野第6会場N-53N-53

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