2012年研究カタログ
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■ 研究担当:米谷慎 ■ ナノシステム研究部門 ソフトマターモデリンググループ■ 連携担当:太田敏隆 金属架橋分子カプセルの自己組織化過程のシミュレーション研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財 ●球状錯体の自己組織化過程の分子シミュレーションに初めて成功 ●外的因子で分解制御可能な分子スケールのカプセルとしての可能性 ●独自モデリング技術により現実系の自己組織化時間スケールを加速 錯体金属とリガンドから自発的に形成される球状錯体は、分子スケールのカプセルや特異な反応場としての応用可能性を有するナノテクノロジー材料の一つです。その多数成分からの一義的構造体の形成は、球状ウイルスにおける数百―数千のタンパク質サブユニットからの殻構造形成などの、生物系において普遍的に見られる分子レベルの自己組織化のモデルシステムとしても興味を持たれています。この様な分子レベルの自己組織化のメカニズムに関する理解が進めば、全く新しいバイオインスパイヤー材料の創生に繋がるものと考えられます。 最も単純な球状錯体として知られる、パラジウム(Pd)イオンと三座リガンドから成るM6L8 錯体の自己組織化形成過程を解析した結果について紹介します。Pdイオンを24分子、三座リガンドを32分子ランダムに配置した、下図左の構造を初期構造として分子シミュレーション(設定温度90℃)を行うと、下図右の250ns後のスナップショットの様に、球状錯体M6L8 の自発形成が再現できました。下図中央の球状錯体中のPdイオンの配位数の変化から、この自己組織化が3つのステージで進行する事が判りました。● 配位子・金属イオン間の錯形成による自己組織化過程の解析● 自己組織化過程の加速シミュレーションを可能とするモデリング技術● ソフトマテリアルの分子集合体モデリング技術謝辞: 本研究は、科研費(23111725)の助成を受けたもので、東京大学・藤田誠研究室との共同研究です。球状錯体中のパラジウムイオンの配位数の変化(中央)、初期構造(左)、250ns後のスナップショット(右)● 研究拠点つくば中央266ナノテクノロジー・材料・製造分野第3会場N-09N-09

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