2012年研究カタログ
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■ 研究担当:富永淳二/フォンス ポール/コロボフ アレキサンダー/中野隆志 ■ ナノエレクトロニクス研究部門 相転移新機能デバイスグループ■ 連携担当:安藤淳 超格子相変化メモリの磁気特性研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財 ●非磁性元素からなる超格子型相変化メモリから2000%を越える磁気抵抗効果が発現 ●GeTe/Sb2Te3層界面にトポロジカル絶縁層を確認 ●トポロジカル絶縁性と相変化メモリを融合したスピン制御メモリの創出 次世代不揮発性メモリの一つである「相変化メモリ PCM」と呼ばれる抵抗変化型メモリは、近年、その高密度化のメリットを生かし、実証段階で8Gbit、また量産タイプで1Gbitが実用化されています。しかし、PCMには競合する他の不揮発性メモリに対して、動作電流値がやや大きいという課題がありました。研究チームでは、相変化過程に伴うエントロピーロスと呼ばれるエネルギー損失(入力エネルギーの約95%)を可能な限りまで抑制した「超格子型相変化メモリ」を2010年に完成させていますが、更なる機能付加が期待できる2000%を越える巨大な磁気抵抗効果が存在することが最近確認されました。 超格子相変化メモリは、構成する元素であるGe、Sb、Teいずれも非磁性であるのも関わらず、図1に示すように2000%以上の室温磁気抵抗効果が存在します。第一原理計算による詳細なバンド計算から、GeTe/Sb2Te3界面に「トポロジカル絶縁体」に類似した電子散乱が極力抑制された二次元電子状態が存在し、スピンが蓄積されることを突き止めました(図2)。この発見により、相変化による抵抗変化に依存した従来のメモリから、電子スピンを蓄積・制御可能な、全く新規な機能性メモリデバイスが創出されることが期待できます。●トポロジカル絶縁体の応用●新しいスピントロニクスの創成● 特許出願2012-034692「スピン電子メモリ及びスピン電子回路」謝辞: 本研究の一部は、最先端支援研究プログラム(FIRST)のグリーン・ナノエレクトロニクスのコア技術開発、およびエルピーダメモリの支援の下で実施されました。図1 超格子型相変化メモリの電流̶抵抗特性図2 超格子型相変化メモリの電子バンド構造[(GeTe)2/(Sb2Te3)4]n 構造● 研究拠点つくば中央233情報通信・エレクトロニクス分野第3会場I-68I-68

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