2012年研究カタログ
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■ 研究担当:則包恭央1/阿澄玲子1/秋山陽久2/吉田勝2 ■ 電子光技術研究部門 メゾ構造制御グループ1 ナノシステム研究部門 スマートマテリアルグループ2■ 連携担当:太田敏隆 光で融ける有機材料̶ 結晶性材料 ̶研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財 ●熱を加えることなく、光を照射するだけで固体から液体に変化 ●加熱によって、元の固体に戻る ●再利用可能な感光性材料や、新規プロセス材料への応用を期待 フォトレジストに代表される感光性材料は、光照射によって、物質の溶解性等が変化しますが、一般的に不可逆な光反応(重合や分解反応)を利用しているため、一度光を当てると、元の状態に戻すことは原理的に困難です。リサイクル感光性材料の開発は、省エネ・省資源につながるグリーンイノベーションの一環として重要な課題の一つです。本研究では、アゾベンゼンの光異性化反応と呼ばれる可逆的(繰り返し可能)な光反応を活用することにより、光によって溶ける有機材料の開発に成功しました。 開発した化合物は、二種類の新規化合物(図1)で、異性化に伴い分子形状が大きく変化します。これらの化合物の結晶に紫外光を照射すると、結晶から液体への相転移が観測されました(図2)。熱でこれらの物質を融解させるには、100℃以上の温度が必要ですが、室温下で光を照射した部分が液化しました。さらに、一度液体にした状態を加熱すると元の結晶状態に戻りました。この状態変化は、何度も繰り返すことが可能です。本成果は、通常では加熱で起きる固体から液体への状態変化が、光異性化反応で起きることを示した世界初の例です。●試料提供(有償)、関連物質の共同開発● 特願2010-252846 (2010/05/10)「光応答性液晶化合物およびその応用」、特願2011-263292 (2011/12/01)「感光性有機化合物」謝辞: 本研究の一部は、科研費(21750157、23760680)、(社)新化学発展協会平成21年度研究奨励金、(財)池谷科学技術振興財団平成23年度研究助成、および(財)キヤノン財団研究助成プログラム「産業基盤の創生」の助成を受けたものです。図1 開発した化合物の構造式(上)と、光相転移反応の模式図(下)図2 化合物1(上)と2(下)の室温における偏光顕微鏡写真● 研究拠点つくば中央206情報通信・エレクトロニクス分野第2会場I-41I-41

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