2012年研究カタログ
198/543

■ 研究担当:大塚玲/井沼学 ■ 情報技術研究部門 プロセスウェア研究グループ■ 連携担当:後藤真孝 バイオメトリクス・セキュリティ研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財 ●人工的な擬生体パターンを誤認証する脆弱性(ウルフ攻撃)を発見 ●バイオメトリクス技術(虹彩、指紋、静脈、音声)の安全性を評価 ●悪意のある「なりすまし行為」に対しても生体認証装置の安全性を保証する評価技術 バイオメトリクス認証において、多くのユーザの登録生体情報に高い類似度を示す特殊な(人工的な)サンプルを提示することで、高確率で他のユーザになりすまそうとする攻撃をウルフ攻撃と呼びます。本研究では、ウルフ攻撃とその安全性評価尺度であるウルフ攻撃確率の理論を発展させ、種々のバイオメトリクス認証システムに対応する評価理論を構築しています。また、これらの理論に基づいて強い成りすまし攻撃に対して安全でかつ高性能な照合アルゴリズムを開発することなどを目的とし、中央大学、早稲田大学と共同で研究を進めています。 指紋の照合には、隆線の分岐や端といった指紋の特徴を表す点(Minutiae)を抽出します。2つの指紋から抽出したMinutiaeの集合同士を比較し、位置と近傍の隆線方向が一致するMinutiaeの数が多いほど類似度が高いとする方法が知られています。人の指には40個程度のMinutiaeがあると言われており、他人の指との誤一致率は小さくなります (図1)。他方、写真(図2)は許容最大値(400個)に近いMinutiaeを持つウルフ擬指の例です。このウルフ擬指を用いると、他人との誤一致率が非常に高くなり(図1)、個人認証機能が損なわれることを証明しました。●バイオメトリクス認証装置のAnti-Spoofi ng評価●安全なバイオメトリクス認証方式の開発●バイオメトリクス装置の安全基準●国際標準化の推進(ISO/IEC JTC 1/SC 37等)謝辞: 本研究の一部は、総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(SCOPE)「バイオメトリクス認証システムのウルフ攻撃に対する安全性評価技術に関する研究(101603011)」により行われています。��������������������������������������������������������図1 Minutiae数別の他人との誤一致率の関係図2 多数のMinutiaeを持つウルフ擬指の例● 研究拠点つくば中央196情報通信・エレクトロニクス分野第2会場I-31I-31

元のページ 

page 198

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です