2012年研究カタログ
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研究のポイント研究のねらい研究内容連携可能な技術・知財図2 FGF1及びFGF2、FGFCの模式図図1 生存曲線 マウスにFGFCを腹腔内投与し、その24時間後に 8 GyのX線を全身照射した。● 特許第2733207号「繊維芽細胞成長因子キメラ蛋白質を含有する医薬組成物」● 特許第5004250号「高機能化キメラ蛋白質を含有する医薬組成物」● Biochimica et Biophysica Acta 1266 (1995) 124-130● Biochimica et Biophysica Acta 1780 (2008) 1432‒1440謝辞: 本研究の一部は、原子力委員会の評価に基づき、文部科学省原子力試験研究費により実施されたものです。 BALB/c マウスにFGFCを腹腔内投与し、その24時間後にX線を全身照射した後、経時的に個体の生存を追跡しました。FGFCを事前投与することによって、8 GyのX線照射による個体死が有意に遅延し、その効果は投与FGFCの用量依存的であることが観察されました。また、X線照射の2時間後、24時間後にFGFCを投与し、同様に生存率への影響を調べたところ、6 Gy照射群では、生存率の向上が認められました。これらの結果、被ばく線量が限定的な場合、細胞増殖因子FGFCを用いた予防・治療が有効であることが示されました。 私たちはこれまでに、繊維芽細胞増殖因子(fi broblast growth factor (FGF))のキメラ分子FGFCを創製し、これが多様な生物特性を持つことを示してきました。一方、原発事故以降、放射線障害の予防・治療薬の必要性が広く認識されています。本研究では、FGFCの放射線障害の防護剤としての有効性を検証しました。その結果、FGFCを事前投与したマウスは、放射線被ばく後の生存率が向上することが示されました。細胞増殖因子FGFCは比較的安定であることから、様々な疾患に対するタンパク質医薬としての開発が期待されます。 ●原発事故により、放射線被ばく障害の予防治療薬の必要性が認知 ●新規細胞増殖因子FGFCは、様々な標的細胞に作用 ●FGFCを事前投与したマウスは放射線被ばく後の生存率が向上■ 研究担当:浅田眞弘/鈴木理/隠岐潤子/今村亨 ■ バイオメディカル研究部門 シグナル分子研究グループ■ 連携担当:丹羽修 /小高正人 放射線防護剤としてのFGF:個体レベルでの生存率への影響● 研究拠点つくば中央112ライフサイエンス分野第6会場L-33L-33

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