Vol13-4
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3産総研TODAY 2013-04第8回運営諮問会議の概要各委員からのコメント・助言濱田 純一 委員(議長)(東京大学 総長)榊原 定征 委員 (東レ株式会社 代表取締役会長)今回の運営諮問会議は、第一三共株式会社の庄田隆氏を新たに加えた、総勢13名の見識豊かな委員(表1)の中から、10名の参加を得て開催しました。まず、産総研からメインテーマである「日本産業を元気にするために強化すべき機能と産総研の役割」について前後半に分けて資料説明を行い、後半の資料説明の前には「日本産業を元気にする産総研の研究」現場の視察を行いました。その後、委員との討議を経てコメント・助言をいただきました。3回ここに出席して、産総研の活動がダイナミックに動き始めていると感じました。最初のころ聞いた、戦略あるいはイノベーションという言葉が実質的に動き始めているという印象をもっております。今の方向でのこれからの展開はとても楽しみにしております。気になったのは、産総研という組織としての海外展開をどう考えていくのかという点です。日本の産業のこれからの復活も、日本だけが元気になるということはあり得なくて、世界のいろいろなところで一緒になって元気になっていかなければいけません。そのため、日本の研究組織や大学が今より力を伸ばしていこうとすれば、海外といかに提携していくか、海外にどれだけ入り込んでいくかということが非常に大きな課題だと思います。産総研としていろいろな企業とつながりをもつときに、海外の企業とも連携をもつというぐらいの取り組みが場合によってはできないものか、またそこに新しいチャンスもあり、アイデアも出てくるだろうという気がしております。日本の国の機関だからといっても、日本の社会だけを見ていては対応できない時代ですので、世界を見ながら、世界の社会、世界の企業を見ながら動く産総研という展開にぜひもっていっていただけると次のステップもまた見えてくると思いました。産総研の強化すべき機能と役割について、2つほど申し上げたいと思います。政府の産業競争力会議では、産業競争力の強化、特に製造業の競争力強化が議論されています。これは、中小企業に限らず、大企業も含めて日本の製造業の競争力基盤が急速に弱体化しているためです。そこでは、既存の製造業の競争力強化と並んで、将来の日本を牽引するような基幹産業を創出して、育成することも大きな課題です。今、日本の科学技術政策では第4期科学技術基本計画の中にありますが、その中では、その次の世代を担う分野として、グリーンイノベーションとライフイノベーションが大きなテーマになっています。特にライフイノベーションにつきましては、とても重要な、今後の日本の基幹産業となるべき分野だと思っております。ライフサイエンス分野では、産総研の他にも公的な研究機関があり基礎研究などを行っておりますが、産業化という点では産総研に対する期待は際立って高いと思っております。今後の医薬・医療分野での1つの方向として、日本が得意とする精密工学、素材、バイオ、ITと組み合わせることによって、創薬だけでなく、診断、医療材料、医療機器などの領域も伸ばしていくべきと考えています。産総研は幅広い分野の研究活動をしているため、より積極的にバイオとITなどとの融合研究を進めていただきたいと思っております。産総研には企業だけでは実現できない研究、あるいはそれを可能にする大きな仕掛けをつくっていただきたい。これが1点目です。もう1点は、産業分野では、ハイテクや先端事業分野だけではなく、既存の分野でも技術革新への要求あるいはイノ私は、ものづくりのことを少しお話しさせていただき、その後にもう1点申し上げたいと思います。日本のものづくりは、ここ4年間の円高の影響で、特にこの1年間で急激に崩壊し、だめになっていくような感じを私は受けています。大手の企業は、まだ苦しんではおりますが、しっかりとしていると思います。しかし、それを取り巻く中堅・中小企業が相当力を落としてしまったというのが現状ではないかと思います。特に、ものづくりの中堅・中小企業と、素形材、サポーティングインダストリーなどの分野が力を落としているため、これらの技術伝承と人材をどのように将来にわたって確保していくかが重要です。大学がほとんどここから手を引いた今、産総研にそれを担っていただきたいというのが1点目のお願いです。2点目は、学会の中で積極的に産総研として論文発表という形をとっていただけると、産総研の技術が私たち一般のところにおりてくるのではないか、広まっていくのではないかという感じがしております。ぜひとも積極的な論文発表をお願いします。木村 博彦 委員 (株式会社木村鋳造所 代表取締役会長)

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