Vol13-4
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17産総研TODAY 2013-04知的財産部 審議役 菅すごう生 繁しげお男産総研着任までの経歴私は大手電機メーカーの中央研究所で研究職・研究マネジメント職を20年ほど経験し、引き続き同研究所でCPO/CSO(Chief Patent Officer、Chief Standardization Officer)として知財獲得・活用、および標準化活動を推進してきました。その後、2012年10月から産総研イノベーション推進本部知的財産部でお世話になっています。知財活動のあるべき姿とは現在、ミッションとして、「産総研発の技術をどのような知的財産として残すのか」の観点で諸活動に際して遵守すべき指針を策定する、という命題をいただいています。まず、現状把握のために研究部門・センターや地域センターを訪問して進めた意見交換が全体の過半数に至り、そこで浮かび上がった知財活動の課題をまとめているところです。企業研究所でCPO/CSOを担当していた当時は、単によい技術だけでは市場や収益に直結せず、オープン・クローズをミックスしたビジネスモデルが重要になる転換期でした。そこで、事業戦略、研究戦略、知財戦略の3つの戦略を一体で回す、いわゆる「三位一体」化を強化すべく、知財活動の具体的なアクションにどう落とすかの観点で、知財施策・仕組みの立案と展開に重点的に取り組みました。この取り組みで重視した点が、①研究成果とは単なる技術パフォーマンスの達成ではなく、特許、ノウハウ、アライアンスに基づく権利、ソフトなど、広い意味での知財と一体になったパッケージの実現である、との捉え方と、②ゴールを具体的に描いてあるべき知財活動をバックキャストし具体的な仕組みでPDCAを回すこと、の二つでした。この経験を通じて、知財活動は知財担当が進めればよいということではなく、知財を含めて研究のミッションそのものとして一体的に取り組むべき、という信念をもちました。産総研の知財活動私が経験してきた一企業の研究活動と比べて、産総研は産業貢献だけでなく標準などの公的側面もあり、さらにはこれらを通じた社会貢献という広範な使命をもち、また、産総研単独の研究にとどまらず、複数企業とのコンソーシアムなどを通じて積極的に産業展開や市場創出を推進するなど、活動形態もさまざまです。その中で知財では、特許生成のみならず、試料提供、ソフト・ノウハウの形成や供与、企業間連携の知財ルール整備、特許ライセンス供与など多くの活動がなされ、企業や大学の皆さまと多くの連携関係が構築されています。今後の抱負製品やサービスに組み込まれる技術がますます広がり単独企業では事業化が難しい時代になる一方、よいシーズ技術を狙うだけではなく産業エコシステムを想定してビジネスモデルを練った研究アプローチが問われる時代であると感じています。シーズのみならず産業をリードし市場を創造することが求められる産総研では、産業エコシステムやビジネスモデルを練るとともに、社会貢献や産業貢献というアウトカム像を担保するために必要な知財アセット構築も、目標に描いて進めることが重要と考えています。こうした取り組みの浸透を通じて、存在感ある知財アセットの構築、知財面からも安心して使ってもらえる技術成果、の2点を目指した知財活動となるよう、命題である知財活動の指針策定と具体的施策への展開を地道に進めていきたいと思っています。執務中の筆者このページの記事に関する問い合わせ:イノベーション推進本部 知的財産部http://unit.aist.go.jp/ipd/ci/index.html

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