Vol13-4
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15産総研TODAY 2013-04Techno-infrastructure果を統計的に解析することで、参加機関の分析能力を客観的に評価します。分析技能向上支援プログラムの提供NMIJでは、標準物質や分析技術の開発で培ってきたノウハウをもとに、分析現場の技能向上・技能教育の支援を目的とした、分析技能向上支援プログラムを実施しています。このプログラムは、技能試験とその結果に基づいたフォローアップのための講習会とをセットにしたもので、①国際規格ISO/IEC 17043に基づいた運営、②NMIJによる信頼性の高い参照値の付与、③詳細な結果報告と解析を特徴としており、参加者の数や技能の偏りによらない客観的評価と分析における問題点の抽出およびその原因解明と解決・技能向上の支援を行っています。私たちは、今後も信頼性の高い標準物質や分析技術の開発のみならず、分析者の技能向上支援を目的とした活動を実施することによって、環境・食品分析における分析値の信頼性向上に貢献していきたいと考えています。2013年度は玄米中の無機元素分析および農薬分析のプログラムを実施する予定です。今後の開催プログラムなどの詳細に関しては、NMIJのホームページ(http://www.nmij.jp/)をご覧ください。現場分析者の技能向上支援分析技術の向上を支援する技能試験と講習会の提供分析値の信頼性を支えるもの環境や食品中にはさまざまな物質が含まれており、これらを正しく分析できなければ、健康被害の危険性をはじめ、必要以上の規制による食品の適切な流通の妨げや価格高騰につながるおそれがあります。そのため、分析値の信頼性確保のために、「校正用標準物質」を用いた分析値のトレーサビリティの確保や「組成標準物質」を用いた分析手法の妥当性評価(バリデーション)を行うことが求められています。産総研 計量標準総合センター(NMIJ)では、このようなトレーサビリティの確保やバリデーションに用いるための標準物質を開発、供給しています。一方、質の高い標準物質や最新の分析装置だけでは、分析結果は信頼できるものにはなりません。分析者、分析機関の分析能力が信頼できるものである必要があります。分析機関の技術的能力、公平・公正さを第三者的に証明する制度として、ISO/IEC 17025「試験所及び校正機関の能力に関する一般的要求事項」に基づく、試験所認定制度があります。この要求事項の中では、機関の分析能力を客観的に示すため、技能試験への参加を推奨しています。化学分析における技能試験では、複数の参加機関に同じ試料を配付し、報告された測定対象物質の分析結黒岩 貴芳くろいわ たかよし計測標準研究部門無機分析科環境標準研究室研究室長(つくばセンター)社会のグローバル化が進む中、環境や食品を中心とした分野においては、世界的な状況や動向を把握する必要性が、今後ますます高まると考えられます。このため、分析現場からのニーズを意識しながら、分析値の信頼性を確保するための分析現場で役立つ分析技術開発、標準物質開発、技能向上支援などの研究活動に取り組んでいきたいと考えています。報告値(mg/kg)報告数NMIJ参照値 : (0.308±0.007)mg/kg(k=2の拡張不確かさ範囲)0.250.400.350.300.200.150.45120100020406080年度タイトル参加数(のべ数)無機分析有機分析2009茶葉中無機元素分析16機関31機関138機関163機関43機関38機関20102010201120122013予定2013予定2012河川水中無機元素分析鉛フリーはんだ中鉛分析1)玄米中無機元素分析2)玄米中無機元素分析2)玄米中無機元素分析2)大豆中の農薬分析玄米中の農薬分析※1)講習会なし 2)平成23~25年度の玄米中無機元素分析は(独)農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所との共催図 技能試験の結果例:玄米粉末中のカドミウムの分析(参加者から報告された報告値の分布図)表 NMIJ技能向上支援プログラム

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