Vol13-2
5/20

5産総研TODAY 2013-02http://unit.aist.go.jp/nri/index_j.html このページの記事に関する問い合わせ:ナノシステム研究部門フェルミ準位での、エネルギーに対する対数微分に比例する:S~∂log(τ)/∂E ことから理にかなった振る舞いです。次にルテニウム(Ru)を含む有機金属錯体分子多層膜に第一原理計算をテスト適用しました。その構造とZTの温度依存性の概略図を図2に示します。今後、さまざまな試料・電極材料の組み合わせ探索を行います。断熱材料・蓄熱材料熱伝導度(κe+ κph)を小さくしなければいけないという点では、断熱材料と熱電材料の開発目標は共通点があります。断熱材料は絶縁体なのでκeは無視でき、κphのみを計算すればよいのですが、ナノ発泡などの局所構造をもつ断熱材料が多いため、分子動力学法を用いた大規模計算や粗視化分子動力学計算を行うことが必要です。「水」は最も身近な蓄熱材料です。糖アルコール類も良く知られていますが、これらの物質を超える蓄熱密度をもち、100〜200 ℃で機能する蓄熱材料は知られていません。自動車排熱を利用した触媒暖機や給湯システムのコンパクト化などのために高密度蓄熱材料が求められていますが、そのためには新規な蓄熱材料開発が必要です。蓄熱材料は相転移現象を介して熱を貯蔵しますが、融解現象を支配する主な要因は分子内に存在する水素結合エネルギーであり、物質中の水素結合密度と共に蓄熱密度を決定しています。分子シミュレーション手法を用いてこれら分子性液体の融解・凝固現象を支配する分子論的要因を同定し新規候補物質を探索します。化学反応を利用した蓄熱現象(化学蓄熱)の利用も重要な課題ですが、複雑な素反応解析にも分子シミュレーション技術を活かした設計が必要です。将来展望これらの熱マネージメント材料を用いることで、例えば自動車排熱、化学工場廃熱、住環境の未利用熱活用に大きく貢献しうると期待されます。計算機シミュレーションを活用したチャレンジングな新規部素材探索が、その基盤を支えることにつながると期待されています。ナノシステム研究部門エレクトロニクス材料シミュレーショングループ中なかむら村 恒ひさお夫図2 Ru核有機金属錯体分子膜の第一原理によるZT計算。錯体分子層を3層重ねたモデルに対して計算を行った。温度(K)高温有機金属錯体低温ZT0.050.040.030.020.010.050100150200250300350分子シミュレーショングループ石いしだ田 豊とよかず和浅あさい井 美よしひろ博プレス発表[1] 2011年9月30日「印刷して作る柔らかい熱電変換素子」

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です