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10産総研TODAY 2013-02http://unit.aist.go.jp/nri/index_j.html このページの記事に関する問い合わせ:ナノシステム研究部門ゴム材料開発へのシミュレーションの活用の動きシミュレーションソフトウエアOCTA[1]が名古屋大学(当時)の土井正男教授らにより2002年に公開された後、国内におけるソフトマテリアルシミュレーションの利用が劇的に広がりました。当初はOCTAプロジェクトに参加した化学メーカーがOCTAを利用していましたが、近年、ゴム業界が研究開発に積極的に利用を進めています。ゴム業界では、従来から有限要素法などを用いて製品設計シミュレーションがなされてきました。さらにアジア発の安い製品の出現、厳しい環境適用条件が課される低燃費タイヤの要求など、開発がますます厳しくなってきています。これらの問題を解決する一つの手段として、ゴム材料の設計・開発に対して、粗視化シミュレーションの利用が進んでいます。粗視化シミュレーション利用による死の谷の問題このような社会情勢の中、粗視化シミュレーションの利用においても課題が山積しています。OCTAという道具はあります。しかし、ゴム材料に適用しようとすると、どのようなモデル化をすればゴムを扱えるのか、どのようなパラメーターを用いればゴム状態を記述できるのか、どのように結果を評価すればいいのかなど、まさに「死の谷」の問題に遭遇します。この「死の谷」への遭遇は、導入を試みている各社に共通に起こることで、私たち産総研が取り組まなくてはならない課題です。コンソーシアム立ち上げによるオープンイノベーション私たちは、ゴム・エラストマー材料シミュレーションにおいて、産総研がイノベーションハブとしての役割を果たすために、共同研究コンソーシアム「ゴム・エラストマーにおける理論・シミュレーション基礎研究会」を2012年4月に立ち上げました。このコンソーシアムでは、現在国内の7社の企業が参加し、ゴム製造の上流から下流のメーカーまでさまざまな企業が集まり、ゴム・エラストマーの材料の基礎的なシミュレーション方法について研究を進めています。現在は、ゴムの架橋構造を作成するなど、基礎的な研究を進めています。今後も基礎の範はんちゅう疇において、ゴムに関係するシミュレーション方法における業界標準を作ることを目指し、この粗視化シミュレーション技術を材料開発に直結して役立てることができるように活動していく予定です。次世代タイヤ材料開発を目指した粗視化シミュレーションの利用ナノシステム研究部門ソフトマターモデリンググループ森もりた田 裕ひろし史架橋ゴムのモデルと一軸伸張シミュレーションのスナップショット分子鎖レベルのゴムのモデル構造・ゴム分子鎖の引き延ばし・分子鎖のエントロピーの減少一軸伸張関連情報[1] http://octa.jp
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