産総研レポート
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07太陽光発電研究センター 化合物薄膜チーム研究チーム長 仁木 栄(にき しげる)Ph.D.太陽光発電研究センター 化合物薄膜チーム研究員 石塚 尚吾(いしづか しょうご)博士(工学)より大面積(10×10cm)な基板上でも実現できるようにしたのです。こうした改良を重ねた結果、製品に近いサブモジュールとしては世界最高となる15.9%という変換効率を達成し、この成果を2010年2月に発表しました。これまで10%を超えられなかったことから比べると、大変な前進です。産業界からの熱い視線を受けて この成果には、産業界からの注目も集まっています。学会や国際会議で発表したところ、事業化に興味を持っている企業からたくさんの反響がありました。新規参入を狙うアジア企業や、部品提供を希望する基板メーカーが強い興味を示し、事業化を具体的に進めるための共同研究の提案もあったそうです。仁木研究チーム長も「太陽電池産業からの注目に値する重要なデータが出せたと思っています。できるだけ早く、事業化にこぎつけられるといいですね」と、産業界への還元に大きな期待を寄せています。 その一方で、仁木研究チーム長たちは、CIGSと同様に高い変換効率を出せるような新しい素材の研究も行いたいと考えています。「エネルギーの安定供給のためには、いろいろな選択肢があることが必要です」。とはいえ、応用研究ばかりでは新しい研究の種が育ちませんし、基礎研究ばかりでも産業界にフィードバックできません。「基礎の掘り下げと、実用化に向けた研究の両方がうまく進み、成果を社会に還元することができれば、それは研究者冥利につきるというものです」。持続可能な社会実現に向けて、仁木研究チーム長たちの研究は続いていきます。巻頭特集Interview(右)集積型サブモジュール10×10cm2サイズで100μm厚のセラミック基板を用いて作製(左)フレキシブル太陽電池モジュール同サイズで300μm厚基板のサブモジュールから切り出して作製

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