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2002年10月15日掲載  

10月15日「ベンチャー開発戦略研究センター」を設立

  − 平成14年度文部科学省「戦略的研究拠点育成事業」に提案 −

 「ベンチャー開発戦略研究センター」が、採択率3.0パーセントの難関を突破し、平成14年度文部科学省「戦略的研究拠点育成事業」に採択された。平成14年度から5年間、年間10億円の委託費を得て、公的研究機関の技術シーズによるベンチャー創出システムの研究に取り組む。
  期待される技術オリエンテッドなベンチャー創出
 独創的な技術をもとにしたベンチャーの創出は、新産業を生み出し、さらに雇用を創出して、経済を活性化するひとつの手段として期待されている。既に我が国においても「大学発ベンチャー1,000社」を目標に様々な施策が実行されている。産総研においても、独立行政法人が持つフレキシビリティを活用し、図1に示す総合的な支援策を実行している。
 なお米国では、大学等の技術シーズをもとに年間2,500社のベンチャーが生まれ、経済の活性化に重要な役割を果たしている。これに比べ我が国の大学発ベンチャーの起業化数は、年間250社程度と米国の1/10と少なくその増加が期待されている。

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図1

図1 産総研のベンチャー創出に向けた総合的な支援策

  問われるベンチャー創出システムの確立
 シリコンバレーを例に引くまでもなく、米国においては起業化精神に溢れた起業家(アントレプレナー)、創業期のリスクマネーを負担する個人投資家(エンジェル)や投資を主な業務とする企業(ベンチャーキャピタル)、また起業化に必要な知識を持った弁護士や会計士等のスペシャリストの集積が大学周辺にある。すなわち、大学の技術シーズがすぐにベンチャー創業に繋がる社会システムが完成されている。一方、我が国にはこのようなシステムがないために、技術シーズをもとにベンチャーを起こすには、研究者自らが創業者となって市場調査、資金の調達、さらに営業を担う覚悟が要求され、大きな障害となっている。このような日本の環境を克服する日本型のベンチャー創出システムの確立が、今切望されている。
  産総研の取り組み
 産総研は、「戦略的研究拠点育成事業採択」を機に日本型ベンチャー創出システムの研究と確立を行う。従来産総研のベンチャー支援策は、技術シーズを持つ研究者の発意と努力に対して支援を行って来た。今回提案の「ベンチャー開発戦略研究センター(以下「センター」という)」では、産総研を始めとする公的研究機関や大学発の技術シーズを活用し、ベンチャー企業の展開を総合的に支援することを目的としている(図2)。

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図2

図2 ベンチャー開発戦略研究センターの組織と機能

  提案の実践と新しいモデルの実証
 センターには強力なビジネスモデルを作成する「ビジネスクリエータ」、事業・経営戦略を担う「ベンチャープランナー」を配置する。また、「技術開発チーム」を付設し、ビジネスプランに沿って技術シーズを事業化するのに必要な研究開発を実施する。さらに、ベンチャー創出事例の研究・解析およびノウハウの蓄積により、ベンチャー創出のための最適システム構築を目指す。さらに、TLOのネットワーク化により、技術シーズの組み合わせによる強力なビジネスモデルの作成を目指すとともに、産総研以外の公的研究機関・大学の技術シーズの起業化のためのセンターとなることを目指す。
 戦略拠点育成終了の5年次までには、ベンチャーを40件/年程度送り出すシステムを完成、5年以内に複数社の株式上場を目指す。また日本型ベンチャー創出法の教本を完成させるなどし、将来的には産総研全体がベンチャー創出のプラットホームとなることを目指す。
  期待できる波及効果
 センターは、ベンチャー創出の事例を蓄積・解析し、そのノウハウを他の公的研究機関・大学等にも広く公表する。また、センターで創出されたベンチャーは、新産業、新市場、新たな雇用を生み出し、我が国産業経済の活性化への貢献が期待できる。さらにセンターは、研究者が社会ニーズの重要性を理解し、技術シーズの実用化により研究開発の投資を社会に還元することを常に意識するといった意識改革の機会を与える場となり、最終的に技術シーズを広く求め活用して新たな産業技術を創出する研究開発拠点になることが期待できる。

関連:10月28日「ベンチャー開発戦略研究センター 丸の内オフィス開所式」(2002.10.29掲載)

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