ある料理研究家がいます。この料理研究家はいつも、今までにないおいしい創作料理を生み出そうとレシピ作りにいそしんでいます。まず料理の出来上がりのイメージを思い浮かべることが大事です。それには今まで創作されてきたいろいろな料理が参考になります。でもみんなを驚かそうと思ったら、今までなかった味を作り出さなくてはなりません。
新しい料理のイメージが固まったところで、その料理を作るのに必要な材料を選び出します。ところがその材料がとても変わっています。なんと、目に見えないくらい小さいのです…。
こうしてレシピは出来上がりましたが、本当においしい料理が出来るのでしょうか…。
普通の料理研究家はここで実際に材料を使って、煮たり焼いたりと、いろいろ試しながら新しい料理を生み出しますが、この料理人は一切キッチンには立ちません。
何をするかというと、レシピに書かれた材料の情報をひたすらコンピュータに入力していきます。目に見えないその材料とは、実は原子や分子なのです。
材料を入力し終わったら、今度はコンピュータ内の環境をレシピに従っていろいろと変化させます。そしてコンピュータ内で思い通りの料理が出来るかをひたすら待ちます。材料は膨大な量ですから、料理が完成するまで時間がかかるのです…。
そしてついに、コンピュータ内にバーチャル(仮想)料理が出来上がりました。果たして料理研究家の思い通りのものが出来たのでしょうか…?
