
新聞には大量のチラシが挟まれています。部屋には、おそらく雑誌が何冊かあるはずです。壁には、ポスターが貼られ、カレンダーがかかっているでしょう。
このように私たちは、印刷物にかこまれて暮らしているわけです。
ほとんどの印刷物は、小さな点の集まりで描かれています。ルーペがあれば、べったりと色の乗ったところにも、色のついた小さな点が見えるはずです。点の色は、水色(Cyan)、赤紫(Magenta)、黄色(Yellow)、黒(Black)の4色。これらの点は「網点」と呼ばれ、印刷物ではこの網点を組み合わせて、さまざまな色や形が表現されています。
最近では、写真や文字などのコンテンツや、印刷物のレイアウトをコンピュータでデザインして、そのデータから刷版(印刷用の版面)を直接作り、高精細な印刷機で高速に印刷されています。
コンピュータで刷版上の画像イメージを表現するには、小さな4色の点(画素)を、どこにどれだけ並べるかを指示しなければなりません。そのデータ量は膨大です。データ量が大きければ、ハードディスクやCD-Rに記録するのも、通信回線で送受信するのも大変ですから、画像データを圧縮して(データ量を小さくして)取り扱う必要があります。コンパクトに圧縮できれば、それだけ、コストも時間も労力も削減することができるでしょう。
昨年、産業技術総合研究所(産総研)が開発・提案し、国際規格として採用されたのは、このデータを圧縮するためのプログラム。その圧縮率は、これまでの方式よりも、20%以上も高くなっています。
その秘密は、たとえていえば、これまで4人しかいなかった「偵察部隊」が、12人になったことにあります。データの圧縮と「偵察部隊」にどんなつながりがあるのか、詳しくご紹介しましょう。
