たとえば窓ガラス。これは、「透明」です。外の光を中までとおし、部屋の中を明るくしたり、外の景色を眺めたりすることができるのは、ガラスが「透明」だから。当たり前のことですね。
たとえば太陽電池。これは普通、「透明」ではありません。太陽の光を吸収し、電気エネルギーに換えなければいけないのですから、「透明」では困るのです。シリコンを使った一般的な太陽電池は、だから、黒光りしています。
ところが、産業技術総合研究所(産総研)は、窓ガラスのように光をとおし、なおかつ太陽光で発電する、「透明な太陽電池」の開発に成功したのです。
「透明」なのに発電できるという魔法の種は、太陽の光の波長にあります。
太陽の光は、その波長から、3種類に分類されています。
もっとも波長が長いのは、赤外光。赤外線ともいいます。太陽の光が暖かいのは、この赤外光のおかげです。
次に波長が長いのが、可視光。可視光線ともいいます。人間の目には、この可視光しか映りませんから、光といえばこの可視光をイメージする方がほとんどでしょう。
可視光よりも波長が短いのが、紫外光。いわゆる紫外線です。肌が日に焼けたり、悪くすると皮膚がんになったりするのが、この紫外光のせいだということはご存じでしょう。
産総研が開発した「透明な太陽電池」は、目に見える可視光までの光をとおし、目には見えない、人体に有害な紫外光で発電する、画期的な太陽電池なのです。
「透明」なものへのこだわりが生んだ、「透明な太陽電池」。その向こうには、大きな可能性が透けて見えています。
