1.目的と効果
工作機器やロボットの腕関節などの角度位置決めに広く用いられているロータリエンコーダには、高い分解能に見合う高精度化が欠かせません。エンコーダを装置の軸に取り付ける時に生じる軸ずれ(偏心)は大きな角度誤差要因ですが、検出が困難なため高精度化を妨げる大きな障害でした。自己校正機能付きロータリエンコーダは、エンコーダ自体が角度目盛りの誤差ばかりでなく、軸ずれの角度誤差も併せて検出できる機能を有しています。装置に組み込んだ後に角度の校正ができるため、精度がさらに向上した角度制御を可能にします。[適用分野]
● 工作機器回転軸制御
● モーター角度制御
● ロボット腕関節制御
2.技術の概要
ロータリエンコーダは360°(度)の分度器の目盛り位置をセンサーで検出して角度情報を出力する装置です。一般に1個のセンサーを用いますが、複数個のセンサーを分度器の周りに等角度間隔に配置すると、エンコーダ自体が角度誤差を検出する機能を実現することができます。しかし、検出した角度誤差の周波数成分はセンサーの数に対応した周波数成分が抜け落ちてしまうという問題点がありました。そこで図1上のように6個のセンサーを60°の等角度間隔に並べるのではなく、同じ6個でも図1下のように1個(赤)は共通として3個(赤と青)と4個(赤と緑)に分け、それぞれを120°と90°の等角度間隔に並べることにより、図2下に示すように、最小公倍数の12個のセンサーを並べた時と同じ高次の周波数成分まで抜け落ちの少ない角度誤差を検出することが可能になります。
3.発明者からのメッセージ
センサーをたくさん並べれば、それだけ周波数成分に抜けの無い角度誤差の検出能力を発揮させることができます。しかし、センサーが高価な場合にはたくさん使用するわけにはいきません。センサーの並べ方を工夫することで、角度精度0.5″(秒)を超えた自己校正機能付ロータリエンコーダを、製作費を抑えて簡単に実現することが可能です。![]() |
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| 図1 センサー配置図 上はセンサーを6個、60°間隔で配置した場合、下は3個(120°間隔)と4個(90°間隔)の配置を6個で実現した場合である。 |
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| 図2 角度誤差 センサー6個では6次の周波数成分が求まらないため角度誤差の検出が不完全であるが、3個と4個の配置で角度誤差を検出した値は、周波数成分に抜けの無い完全な角度誤差とほぼ重なっている。 |


