1.目的と効果
この発明は、安価な非可食性植物廃棄物(廃木材、製紙系廃棄物、トウモロコシ穂軸など)から得られるフルフラール(図1)を利用して、酸化反応により植物由来のフマル酸やフマル酸誘導体を製造することを目的としています。また前記のフマル酸やその誘導体を水素化することによりポリエステル[1]原料として有用なコハク酸、その誘導体、1,4−ブタンジオールなどの100 %植物由来化成品を収率良く製造することを目的としています(図2)。これまでの発酵合成法は、化学合成法に比べ一般的に収率が低く、デンプンのほかCO2を原料として利用しているため、100 %植物由来化成品を製造するためには、コストの低減に課題を残していました。この発明では、コスト高による実用化の障害をクリアする改善方法を提案しています。
[適用分野]
● ポリエステルの原料
● 生分解性プラスチック
2.技術の概要
この発明は、安価な非可食性植物廃棄物から得られるフルフラールを利用して、植物由来プラスチック(2020年の予測世界生産量:約350万トン[2])の原料となる100 %植物由来コハク酸、1,4−ブタンジオールなどの化成品を化学合成する点に特徴があります。一般に化学合成法は、発酵合成と比べ単位容積当たりの収量が高いことが期待されます。この発明ではフルフラールを原料として、コハク酸と1,4−ブタンジオールの前駆体(製造原料)となるフマル酸やフマル酸誘導体(エステル類、酸無水物)を酸化反応により製造する際に、未反応の酸化剤を安全に処理し、化成品であるフマル酸、コハク酸、1,4−ブタンジオールなどを収率良く得る方法を見いだしました。3.発明者からのメッセージ
原油価格の高騰の背景もあり、CO2削減効果のある植物由来プラスチックの研究開発が注目されています[3]。しかし、これまでの技術では、多くの場合プラスチック原料の製造に糖類などの可食性植物を利用しているため、植物由来のプラスチック、化成品などの生産量が増大するに伴い、穀物価格への影響が無視できなくなると思われます。この発明および関連の発明[1]は、再生可能で安価な非可食性植物から得られるフルフラールを利用する化成品やプラスチックなどの製造技術を通してCO2発生を削減し、資源循環型工業の基盤技術構築に寄与することを目指しています。![]() |
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| 図1 非可食性植物廃棄物から得られるフルフラール | 図2 非可食性植物廃棄物からのフルフラールと化成品の製造経路 |
関連情報:
● 参考文献
[1] 産総研出願特許:米国特許6,639,045、特願2009-251313、特願2010-252361
[2] Li Shen et al.: Product overview and market projection of emerging bio-based plastics (PRO-BIP 2009), iii (2009). [3] Li Shen et al.: Product overview and market projection of emerging bio-based plastics (PRO-BIP 2009), i (2009).
[2] Li Shen et al.: Product overview and market projection of emerging bio-based plastics (PRO-BIP 2009), iii (2009). [3] Li Shen et al.: Product overview and market projection of emerging bio-based plastics (PRO-BIP 2009), i (2009).


