1.目的と効果
この発明は、図1に示すように、マイクロメートルオーダーの微小な電子源と、電子ビームを収束させるためのレンズ電極を一体的に形成する技術です。この技術によって作製できる「集束電極一体型電界放出素子」を中核的要素として、とても小さな電子顕微鏡(マイクロカラム電子顕微鏡)の基本構成の提案が期待できます。これまでメートルオーダーの大きさであった電子顕微鏡をミリメートルオーダーまで小さくできるとともに、マイクロカラムを多数並べてマルチビーム化することも可能です。[適用分野]
● 電子顕微鏡
● マルチ電子ビームリソグラフィー
● ディスプレー・撮像デバイス
2.技術の概要
1 µm程度の微小な電子源に多段の集束(レンズ)電極を単純なプロセスの繰り返しで積層できる作製方法を考案しました。これまではせいぜい2段の電極しか形成できませんでしたが、この発明では少なくとも5段の電極が形成できます。さらに、図2から見てとれるように、レンズ電極の開口部は自己整合的(セルフアライン)に形成できるので、高度な位置合わせ機能を使わずにレンズ電極を電子源の中心軸にぴったり合わせることができます。この電子源を使った電子顕微鏡は、2次電子の捕獲もこの積層電極で行うことで実現するもので、顕微鏡の鏡筒に当たる部分がまさにマイクロメートルオーダーになる、本当の意味でのマイクロカラム顕微鏡を実現するものです。
3.発明者からのメッセージ
この電子源の作製方法では、簡単にアレイ化(マルチビーム化)ができます。マルチビーム化することで大きなウエハーの検査が短時間でできます。超小型であることから半導体製造装置に内蔵でき、インラインで大口径ウエハーの検査が短時間でできる検査用電子顕微鏡への応用の可能性を考えています。![]() |
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| 図2 この発明を使って作製した集束レンズ一体型微小電子源の断面電子顕微鏡写真 | |
| 図1 集束電極一体型電子源を用いたマイクロカラム電子顕微鏡の概念図 最上段の電極が2次電子のコレクタとして働くため、外付けの検出器が必要ない。 |


