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マグネシウム合金に多様な色彩を与える処理技術

 − 微細な表面構造を形成することにより多彩な発色を実現 −

国際公開番号 WO2011/021571 (国際公開日:2011.2.24)

1.目的と効果

 現在、マグネシウム合金の表面に色彩を施すには塗装処理が用いられていますが、複雑で高コストという問題点があります。一方、この技術では、密閉容器内の超純水にマグネシウム合金を浸漬(しんせき)し、その容器を一定の温度・時間で保持することで、微細構造体を合金表面に直接成長させ、色彩(構造色)を付与することができます。この処理技術の特徴は、1)薬品などを一切使用しないため廃液が出ない、2)反応の再現性がよい、3)金属光沢感を維持したまま色彩を付与できる、4)大面積の処理が容易である、といった点にあります。

[適用分野]
 ● 電子機器類の筐体(きょうたい)
 ● 自動車部品の筐体(きょうたい)

2.技術の概要

 この処理技術は、図1に示すようにフッ素樹脂製の容器内に超純水とマグネシウム合金(AZ31やAZ61などのアルミニウムと亜鉛を含む合金)を封入し、120 ℃の温度で所定時間保持するというとても簡便な低コストプロセスにより、マイクロメートル以下のサイズの微細構造体からなる薄膜をマグネシウム合金表面に形成し、発色させるものです。この微細構造体は基板表面に対して垂直な方向にナノメートルスケールで成長したシート状構造であり、その微細構造体の大きさは200〜2000 nm、厚さが50〜100 nm程度です。処理時間や処理温度を制御することにより合金表面の色彩を変化させることができるため、電子機器類の筐体(きょうたい)などへの応用が期待できます(図2)。

3.発明者からのメッセージ

 この処理技術は、水以外の溶媒や薬品類を一切使用しないため、廃液がなく、簡便、低コスト、低環境負荷のプロセスであり、社会のニーズに応えるものです。また、この処理を施したマグネシウム合金には不純物などが含まれないため、リサイクル時には不純物を除去する工程が不要であり、リサイクルプロセスの省エネルギー化への期待も大きいため、実用化に向けた共同開発を行っていきたいと思います。

図1 図2
図1 マグネシウム合金の表面処理方法
図2 未処理のマグネシウム合金(左上)および処理を施したマグネシウム合金の外観写真と拡大写真(右下)

サステナブルマテリアル研究部門
PDF(943KB:産総研 TODAY Vol.11 No.09 p.12)

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