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| 図1 紫外光照射による水に対する接触角の低下 紫外光(365 nm, 2 mW/cm2)照射による接触角の低下から、試作したガラス試料が親水性となることを確認した。 |
1.目的と効果
セルフクリーニング日射熱反射ガラスを実現するための光機能膜を開発しました。セルフクリーニングには光触媒材料として実用化されているアナターゼ酸化チタンを利用し、日射熱反射膜と組み合わせることにより両機能を融合した新規機能膜を実現しました。表面をアナターゼ酸化チタンとする日射熱反射ガラスを試作し、可視光透過および紫外光による親水性の発現を確認しました(図1)。この技術による銀(Ag)を含む耐熱性光反射膜は可視光透過性に優れるので、光反射膜だけでなく透明導電膜分野への利用もできます。200 ℃以上の耐熱性をもち、アナターゼ酸化チタンなど熱処理を必要とする機能層の付加には最適な光機能膜です。[適用分野]
● エコガラス
● 多機能コーティング
● 銀系光機能薄膜
2.技術の概要
エコガラスとして推奨されている日射熱反射ガラスを高機能化するためにセルフクリーニング機能の付加を意図した技術です。日射熱はコーティングされた機能膜により反射されるので、機能膜表面をアナターゼ酸化チタンとすると親水化が見込まれます。ところが、アナターゼ酸化チタンの形成には200 ℃以上の熱処理を要しますが、これまでの日射熱反射膜は加熱により劣化するので両機能をもつ機能膜は実現困難でした。そこで、日射熱反射を主として担うAg膜の合金化により耐熱性を向上させ、上記の問題を解決しました。この耐熱性光機能膜は、光吸収の少ない材料の多層構造であるため、光学薄膜の透過率および反射率特性を各種用途に向けて最適化することができます。3.発明者からのメッセージ
図2に示すように、窓は熱と光の主要な出入り口であるため、居住空間の快適さを保ちつつエネルギー消費を低減するには窓ガラスが重要な役割を担います。例えば、冷房負荷軽減には日射熱反射ガラスが、美観維持にはセルフクリーニングガラスが実用化されています。多機能化が求められながらも、これらは別々の機能ガラスとしてこれまで扱われてきました。材料および製造プロセスによる制約が両機能の融合を阻んでいたからです。そこで、新規材料の利用により、日射熱反射と親水性をもつコーティング機能膜を実現しました。![]() |
| 図2 高機能窓ガラスとしての応用イメージ 窓ガラスへ応用すると、冷房負荷の軽減、採光・眺望の確保、およびセルフクリーニングを期待できる。 |


