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分子配列型フォトニック結晶デバイス

 − 簡単・低コストな分子配列型光学デバイスの作製法 −

特許 第4385129号(出願2004.6)
関連特許(登録済み:国内1件)

図1
図1 分子配列型フォトニック結晶とその作製法の概略図

1.目的と効果

 近年、情報技術、ナノテクノロジー分野において、誘電率の異なる2種以上の媒質を組み合わせて人工的な多次元周期構造を構成したフォトニック結晶の研究が進み、これを用いた通信用・表示用の光学デバイスの実用化が進められています。当技術は、付加構造によって有機分子集合体の配列を制御することにより、フォトニック結晶を構成して、簡単かつ低コストに各種光学部品を作製する技術です。

[適用分野]
 ● 分子配列型デバイス
 ● 受動的な光部品
 ● 能動的な光部品

2.技術の概要

 一部の分子会合体(ここではpseudoisocyanine、PICと略)は室温でも十分に安定な光吸収帯をもち、これを空間的に規則性をもたせて配列させることで、偏光子や分布帰還型レーザーなどを構成できます。規則性を形成するために、分子集合体をサブマイクロメートル程度の溝に埋め込みます。その際、加熱水蒸気を溝方向に吹き付けることで分子集合体の凝集性を制御して、分子自身の配列を揃え、その配列の規則性を反映した偏光子や各種光フィルター素子の作製が可能になりました。発光性の分子集合体を用いれば、発光ダイオードやレーザー特性を制御することもできます(図1)。

3.発明者からのメッセージ

 この手法はサブマイクロメートルサイズの構造とその配列方向への分子の流動性を制御することで、各分子の配列性をそろえることができ、簡単・低コストで分子配列のそろった光学部品を形成することができます(図2)。この様な手法をさらに発展させると、有機結晶や配列制御されたポリマーフィルムへの適用も可能となり、有機材料のもつ性能・機能をより高めることが期待できます。


図2
図2 分子配列型フォトニック結晶の偏光に依存した透過スペクトル
配列用構造のない場合は、アニール前後で透過スペクトルに差がないが、配列用構造がある場合は励起子バンド付近の差が大きくなり、分子配列が形成されていることを示す。

電子光技術研究部門
PDF(1.0MB:産総研 TODAY Vol.11 No.07 p.23)

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