1.目的と効果
透明または半透明の容器内面の必要な部分にのみ選択的に、とても強固に密着して剝離のおそれのないダイヤモンド状炭素(DLC)膜を形成できるプラズマ処理装置を開発しました。この技術により、容器内面に文字や記号、図柄などを茶褐色または黒色のDLC膜で描くことができます。また、容器内面全体やある範囲のみにDLC膜をコーティングすることもできます。文字や記号、図柄などは、容器内面に描かれるので、簡単には消したり、変更したりできません。封印と併用して内容物の取り違えやラベルの張り間違いを防いだり、ロット管理に利用したりできるでしょう。[適用分野]
● 食品用容器分野
● 飲料用容器分野
● 薬品用容器分野
2.技術の概要
開発したプラズマ処理装置は、大きく分けて、接地された真空装置部と正の高電圧パルス電源部および原料ガス供給部で構成されます。真空装置の中に加工したい容器を入れ、その容器の外側に接地電位の電極(外部電極)を置き、容器の内部に高電圧パルス電源に接続された内部電極(原料ガスの導入も行う)を挿入して、適切なガス圧で内部電極に高電圧パルスを印加すると、外部電極のごく近傍にのみプラズマが形成されます。このプラズマを使って、容器内面にDLC膜を作製します。この時、外部電極の形を表示したい文字・記号・図柄に合う形状にすると、それらの形状どおりに容器内部にDLC膜を作製することができます。3.発明者からのメッセージ
すでに、飲料用容器や食品用容器内面へのDLC膜作製技術は、ホットソフトドリンクや味噌などの容器に使われていますが、この技術を使えば、より簡単な装置構成で同様の容器を作製することができます。また、原料ガスや成膜条件を変えると、濃い色や薄い色の膜も作製できます。容器の内面に成膜するので、簡単には消すことができませんし、ラベルのように張り替えることもできません。DLC膜は、紫外線や気体を通しにくい性質があるので、内容物の変質を防ぐ効果もあります。![]() |
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| 図1 開発したプラズマ処理装置の模式図 この例では、外部電極は容器全体を覆っている。 |
図2 容器外部に「AIST」の形に外部電極を配置してDLC膜を内面に成膜したPET瓶 内面に成膜されているので、消すことは困難。 |


