1.目的と効果
国内では全揮発性有機化合物(VOC)排出量の大半を小規模発生源からの排出が占めています。そのため、規制対象となっていない小規模発生源からのVOC排出を抑制すれば都市大気環境の改善に大きな効果を生み出します。このシステムは全排出VOCを処理するのではなく、年間を通したVOC排出総量を低減することを目的としています。また、町工場が密集した場所でも設置でき、光触媒により低濃度排出VOCを太陽光のみで処理するという低ランニングコストが特長です。[適用分野]
● 小規模VOC発生源対策
● 光触媒
2.技術の概要
このシステム(図1)は設置面積を最小化するため、塔形状の鏡筒からなる乱反射鏡を内包する光触媒リアクターを垂直方向に設置しています。塔頂部から入射した太陽光は、乱反射を繰り返しながら鏡筒内部へと進入し、一方、汚染空気はいったん塔頂部へ運ばれたあと光触媒反応を起こしながら下部へ流れる構造となっています(図2)。このシステムは構造的に簡便であり、エネルギーコストは装置内に空気を送り込むのに用いられる分だけです(換気扇程度)。このシステムは昼間しか働きませんが、日本の1日当たりの年平均日照時間は約5.5時間あることから、太陽が照射している限りVOCを除去し続けることになります(図3)。
3.発明者からのメッセージ
大多数を占める小規模事業所からのVOC排出総量を低減するには、低価格でランニングコストのかからない光触媒システムが最適と考えられます。このシステムの普及率を高めることにより、太陽光が降り注ぐ限りVOCを処理し続け、結果として都市大気環境の改善が達成されることを期待しています。![]() |
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図1 大気浄化用光触媒反応塔のプロトタイプ |
図2 大気浄化用光触媒反応塔の内部構造概略図 |
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| 図3 平成20年1月1日から6月24日までの半年間におけるVOC除去効率と太陽光強度の積算値 実験条件:導入トルエン濃度5 ppm、流速10 L/min |
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