1.目的と効果
私たちが生活する環境中には、さまざまな種類のガスが存在します。その中には人間に有害なガスも存在します。ガスの種類と濃度を迅速に検出できれば、換気などの早期対処で、被害を最小限に抑えることができます。この発明は、水晶振動子を16個装着し、その素子16個のデータを同時に測定する装置です。これは、各種ガスを選択的に吸着する薄膜で被覆した水晶振動子を用いて多種類のガスを同時かつ連続的に測定することにより、安心で安全な生活に貢献します。[適用分野]
● 環境計測
● ガスセンサー
● VOC
● 悪臭の連続監視
2.技術の概要
水晶振動子は、電極表面への物質吸着などによる質量変化によって発振周波数が変化します。この水晶振動子に各ガスを選択的に吸着する高分子薄膜を被覆します。この薄膜にガスが吸着するとわずかに重さが変化して周波数が変化します。周波数の変化した水晶振動子に被覆した薄膜種からガスの種類、またその変化量から濃度がわかります。各ガスのセンサーとなる16個の水晶振動子の周波数を同時測定できるように、一つのCPLD(プログラム可能な論理素子)に四つの発振回路を接続し、合計4個のCPLDを用いています。4個のCPLDで収集した周波数データは、PIC(周辺機器接続制御用集積回路)から出力してパソコンなどに記録できます(図1)。3.発明者からのメッセージ
この発明では、CPLDとPIC素子を組み込むことで、複数の水晶振動子の同時かつ連続的な計測を可能にしました。この装置は、各ガスに対して選択性をもつ高分子薄膜を被覆した複数の水晶振動子センサーを用いることで、環境中に存在する揮発性有機化合物(VOC)ガスの種類や濃度変化を連続測定できます。また、ガスが吸脱着する高分子薄膜は、繰り返し吸脱着反応が可能なことから、長期間、ガスの種類や濃度をモニタリングすることができます(図2)。![]() |
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| 図1 16個の水晶振動子の周波数を同時に測定できるようにした回路概略図 | 図2 多種類のガス濃度を測定するための装置構成図 測定対象ガス吸着後に窒素ガスを導入して脱離させることで繰り返しガス測定が可能 |


