1.目的と効果
結晶育成や鋳造などの凝固プロセスでは、金属融液や半導体融液などの高温液状物質からの熱移動の制御が必要不可欠です。その際、重要なのが熱伝導度ですが、高温液状物質は高温、高い腐食性、激しい対流などの状態にあるため、このような環境下で高精度の熱伝導度測定ができるセンサーを開発しました。このセンサーは耐久性が高いため、高温液状物質の熱伝導度を継続して測定する品質モニターとしての利用も期待できます。[適用分野]
● 結晶育成分野
● 鋳造分野
● 精錬分野
2.技術の概要
この特許は、熱伝導度測定方法の一つであるホットディスク法用のセンサーの作製方法に関するものであり、センサーの基本構造は二重らせん形状の金属箔とその両面を覆う絶縁体から成ります(図1)。金属箔としては測定環境温度より1.5倍以上高い融点の金属箔を用いています。絶縁体としてはピンホールのない緻密な薄いセラミックス板(センサー直径の1/100以下の厚み)を用いることにより熱伝導度測定時の感度を損なわないようにしてあり、金属箔とセラミックス薄板の間にある隙間には無機微粉末を充填(てん)して高温液状物質の侵入を防いでいます。さらにそれら全体を開口部がある厚いセラミックス板で挟むことで耐久性を向上させています。3.発明者からのメッセージ
当初は過酷な環境下にある高温液状物質の熱伝導度を正確に測定することが目的でしたが、使いやすさを追求して改良を重ねた結果、センサー自体の耐久性も向上しました。これまで高温液状物質の性状を管理する情報は、温度測定や目視などの間接的なものがほとんどでしたが、このセンサーを用いることで、高温液状物質の熱伝導度を直接、継続的に測定することができます。高温液状物質の熱伝導度は粘性や不純物の混入などで変化するため、品質モニターとしての利用も期待できます。![]() |
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| 図1 高温液状物質用熱伝導度測定センサーの模式図と試作品 | 図2 ホットディスク法による各種融液の熱伝導度測定結果 測定値は代表的な文献値とよく一致している。 |


