1.目的と効果
揮発性有機化合物 (VOC)は、それ自体の毒性だけではなく、光化学スモッグや浮遊粒子状物質の直接原因物質にもなるため健康への影響が懸念されています。VOC排出量の9割を占める中小規模の固定発生源へ排出対策装置を普及させるために、低コスト・高効率の技術が求められています。発明した技術は、触媒機能を兼備した吸着材表面にVOCを濃縮してから低温酸素プラズマで分解することで、エネルギー効率とCO2の選択性の向上とともに、窒素酸化物の完全な抑制を可能としました。[適用分野]
● VOC・悪臭の分解・除去装置
● 失活した触媒の低温再生
● 総有機炭素(TOC)分析装置
2.技術の概要
低温酸素プラズマと触媒の複合法では、酸素濃度が高いほどVOCの分解効率やCO2への選択率が大幅に向上することを世界に先駆けて見いだし、吸着と低温酸素プラズマのサイクルシステムによるVOCの低温完全酸化技術を開発しました。酸化反応の駆動力として低温酸素プラズマを用いるため加熱が不要で、電源のオン・オフだけで装置の始動・停止ができます。また、触媒表面に銀、銅などのナノ粒子を担持することにより低温酸素プラズマと触媒の相互作用を高めました。希薄なVOCを触媒表面に吸着・濃縮してから低温酸素プラズマ処理を行うため、エネルギー効率の大幅な向上、CO2への完全酸化、そして窒素酸化物(NOX)の生成抑制を実現しました。VOCの濃度や流量が変動するような条件にも柔軟に対応できます。3.発明者からのメッセージ
低温酸素プラズマによる触媒の低温活性化技術を利用し、VOCの低温完全酸化を可能としました。特に、これまでのプラズマ技術では解決できなかったNOX発生問題も解決しました。コンパクトで運転の自由度が高いなど、中小規模のVOC発生源への対策装置に求められる条件を備えています。低温酸素プラズマと触媒を用いる低温完全酸化技術はVOC分解・無害化技術だけではなく、有機物の付着により失活した触媒の低温再生や総有機炭素の測定技術としても応用できます。![]() |
| プラズマ−触媒技術の高度利用によるVOCの完全酸化技術 |
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触媒と低温酸素プラズマの写真 a. 銀担持触媒のTEM写真 b. 銀担持触媒(プラズマオフ) c. 銀担持触媒上に広がるプラズマのICCDカメラ写真 |


