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表面親和性を制御したケイ酸塩ナノ構造体

 − 超臨界流体を用いた改質 −

特許 第4161049号(出願2003.1)
特許 第4161048号(出願2003.1)
関連特許(出願中:国内1件)

1.目的と効果

 火山灰質土壌に含まれるアルミニウムケイ酸塩鉱物として、ナノメートルサイズの中空球状粒子(アロフェン)やチューブ状凝集体(イモゴライト)の存在が知られています。これらメソスコピックなケイ酸塩高分子集合体は、その特異な微細構造や表面特性により、革新的な機能性材料としての応用が期待されている物質群です。これらは多孔体であり、有機官能基を導入することで、より吸着選択性の高い材料を構築することができるようになります。この発明は、アルコール超臨界流体による改質を行うことで、表面の化学的特性が制御された機能性ケイ酸塩高分子材料を提供するものです。

[適用分野]
 ● 機能性触媒担体
 ● ガス貯蔵媒体
 ● 有害物質吸着材料

図1
アロフェンの構造模式図
一次粒子の平均直径は3〜5 nm、表面には直径0.3〜0.5 nmの細孔が存在する。球壁は外側がAI-O八面体で、内側がSi-O四面体で構成されている。

2.技術の概要

 無機溶液を出発原料として水熱合成によりアロフェン・イモゴライトのゾル状生成物を得ます。液相を有機溶媒で置換し、有機溶媒の臨界点以上の温度と圧力にした後、温度を臨界温度以上に維持しながら有機溶媒を少量ずつオートクレーブから内部圧力が常圧になるまで排出させます。このような操作を行うことで、ケイ酸塩高分子表面の水酸基は有機官能基で置換され、表面改質が行われます。この方法により合成されたケイ酸塩高分子重合体のNMRスペクトルには、ケイ素(Si)やアルミニウム(Al)に固定されたアルコキシ基に帰属するピークが確認されました。また、水蒸気吸着分析では、IUPACで示されるW型からV型の等温線へと変化し、表面特性が改質されたことが示されました。

3.発明者からのメッセージ

 この技術により、分散性の高い微粒子化と表面改質を同時に行えます。一般的なアルコキシシランなどを用いた修飾技術と比較すると、有機官能基が偏在することなくナノレベルで均一に表面が改質できます。また無機骨格がピラードクレイやゼオライトなどとは異なる形状を有しているため、選択的吸着材料や貯蔵媒体として有効に活用できると考えています。

図2 図3
各試料のメタン吸着等温線 各試料の水蒸気吸着等温線

サステナブルマテリアル研究部門
PDF(1.3MB:産総研 TODAY Vol.10 No.06 p.15)

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