1.目的と効果
ポリエチレングリコール(PEG)薄膜は非特異吸着を抑制するバイオマテリアルとして広く知られています。今回発明した光機能性表面修飾PEG(=アゾアリールメルカプトアルキルポリエチレングリコール)は、非特異吸着を抑制するだけでなく、ターゲットを特異結合できる分子として開発しました。光制御ドラッグデリバリーシステム(DDS)や光制御バイオマテリアルの開発に資する、光制御可能な超分子ロタキサン薄膜を提供します。光機能性表面修飾PEGの自己組織化膜は、多糖類のα−シクロデキストリン(α−CD)を選択的に取り込み、薄膜を形成します。α−CDにはあらかじめ薬剤を結合させることもでき、光照射することでα−CDの脱離を抑制し、徐放DDSとしての機能が期待できます。[適用分野]
● 抗体チップ
● 細胞培養プレート
● DDS(ドラッグデリバリーシステム)
2.技術の概要
光機能性表面修飾PEGは、金薄膜あるいは金粒子上にメルカプト基によって単分子膜(自己組織化膜)を形成し、光によって超分子ロタキサンの構造を制御できるポリ、あるいはオリゴエチレングリコールです。この自己組織化膜において、ある程度鎖長の長いポリ(あるいはオリゴ)エチレングリコール鎖はランダムコイル状態になっているので、バイオ界面の非特異吸着を抑制できます。しかもこの自己組織化膜は、末端のアゾベンゼン部位を通して、α−CDを選択的に取り込み、プソイドロタキサン薄膜を形成します。この薄膜に光照射すると、アゾアリール部位がトランス体からシス体へと光異性化するので、取り込まれたα−CDの脱離を抑制します。3.発明者からのメッセージ
光機能性表面修飾PEGを高密度自己組織化膜として形成させることが非特異吸着を抑制するDDSとしての機能を発揮し、また、光照射によって薬剤の徐放DDSに効果をあげることができると考えています。![]() |
| 界面に結合した光異性化アゾアリールメルカプトアルキルポリエチレングリコールの構造と鎖に取り込まれたα−CD分子 |

