1.目的と効果
クリーンエネルギーとして、工業用、家庭用に今後とも需要が期待できる水素を、天然ガスやガソリンなどの炭化水素原料から製造できる触媒を開発しました。この触媒はバイオマスガス化プロセスの副生ガスであるメタンやCO2を有用な合成ガスに改質することもできます。この触媒はニッケル(Ni)、ストロンチウム(Sr)、レニウム(Re)と微量のロジウム(Rh)をジルコニア(ZrO2)に担持したものであり、原料に少量の硫黄分が含まれていても使用できます。
[適用分野]
● 燃料電池、自動車、工業用表面処理など
● バイオマスガス化後のガス改質用など
2.技術の概要
ガソリンや灯・軽油から水蒸気改質により水素を製造する反応は、メタンの水蒸気改質と異なり、触媒表面上に炭素が析出しやすく、その結果触媒の活性が低下します。そのため通常はメタンなどの低級炭化水素に予備改質した後に、再度改質を行います。今回発明した触媒では灯・軽油などの炭化水素は触媒上のロジウムによりメタンなどの低級炭化水素に分解するため、予備改質が不要です。触媒表面上に存在するニッケルにより引き続き水蒸気改質が起こり、水素が製造できます。また同時に共存するレニウム上で硫黄化合物の反応/吸着が起こるので、数ppm程度の硫黄分がガス中に含まれていても触媒の活性の低下が起こりにくい特徴もあります。したがって、石油系の炭化水素だけでなく、バイオマスのガス化で得られたガスの中に含まれるメタンやCO2をより有用な合成ガスに変えるための触媒として使えることを最近見いだしました。なお、ロジウム担持量は0.1 wt%と実用的に問題のないレベルです。3.発明者からのメッセージ
この発明は、ガソリンなどだけでなく、メタン、エタンなどの低級炭化水素の改質にとても適しています。そのため、石油系の液体燃料の改質に加えて、バイオマスのガス化後の改質などに適用することができるので、応用範囲が広いのも特徴です。![]() |
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| 触媒上での反応のイメージ | 成型後の触媒の写真 (太さ約5 mm) |


