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新規多孔性材料とその製造方法

 − 揮発性有機化合物ガス用シリカ吸着剤と高耐熱性アルミナ多孔性材料 −

特許 第4061408号(出願2004.1)
特許 第4221498号(出願2003.8)

1.目的と効果

 両親媒性高分子界面活性剤の高次構造形成能を利用して、吸着剤や触媒(担体)として有用な多孔性材料の製造を目的としています。一つは、マイクロ孔とメソチャンネルが有機的に連結した2元細孔構造の繊維状シリカで、トルエンなどの揮発性有機化合物(VOC)に対し高い吸脱着能を発揮します。もう一つは、高耐熱性のγ-アルミナメソ多孔体で、アルミニウムにシリカを微量添加することで1,000 ℃でも比表面積250 m2/g以上を保つことができます。

[適用分野]
 ● VOC吸着剤
 ● 高耐熱性触媒・触媒担体

2.技術の概要

 この二つの多孔性材料は、エチレンオキシド鎖(EO)とプロピレンオキシド鎖(PO)をもつ両親媒性トリブロック系界面活性剤を構造形成剤に用います。繊維状シリカは、酸性水溶液中において、疎水性の強い構造形成剤と珪酸ソーダから生成するロッド状ナノ複合体を連鎖させ、形成された繊維状前駆体から界面活性剤を除去して得られます。POが除去された空間にはハニカム状に配列したメソチャンネルが形成され、チャンネルを囲むシリカ壁にはEOの痕跡がマイクロ孔として残り、メソチャンネル間を連結することで、特異な2元細孔構造ができあがります。この構造は、マイクロ孔が多く、メソチャンネルが長いことからVOC吸着能は高く、メソチャンネル径が大きいことから脱離能に優れ、VOC回収に利用できます。

 またγ-アルミナメソ多孔体はアルコールに溶解したさまざまなEO/PO比をもつ構造形成剤と混合アルコキシドから生成する透明な膜状前駆体を経由して生成します。シリカが均一に複合化したアルミナ結晶子は、高温でもアルミニウム原子の拡散による粒成長が抑制され、耐熱性に優れ、さらに触媒能発現の要因となる固体酸量が増大しています。

3.発明者からのメッセージ

 この技術は、ナノ空間構造と粒子形態の同時制御に着目し、新規シリカをはじめ金属酸化物ナノ空間材料とその合成手法を提供するもので、有害化学物質を選択的に吸着したり、高温での触媒性能を発揮するナノ反応場を提供するものと考えています。

繊維状シリカの生成プロセス
図1
図2   図3
繊維状シリカ(SEM像)と2次元細孔構造を有する繊維状シリカのVOC吸脱着機構と破過曲線   γ-アルミナメソ多孔体の構造モデルと高耐熱性を示す細孔径分布図

関連情報:
● 参考文献 K. Kosuge et al.: Langmuir, 23(6),3095-3102 (2007).


環境管理技術研究部門
PDF(1.8MB:産総研 TODAY Vol.10 No.03 p.14)

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