1.目的と効果
窒化アルミニウム、窒化ガリウムなどの13族元素の窒化物は、常圧下では通常六方晶構造ですが、超高圧下では立方晶構造になることが知られています。これまで、立方晶構造のものを作るには、超高圧をかけるか、あるいはエピタキシャル成長を利用して極薄膜を作るしかありませんでした。この特許により、常圧または減圧下で、10 µm程度までの厚さの厚膜を作ることができ、これまで入手が困難であった立方晶13族窒化物を容易に入手することができるようになります。[適用分野]
● 電子部品(パッケージ、基板など)
● 切削工具
2.技術の概要
エアロゾルデポジションという成膜法を使って、減圧下で立方晶の窒化アルミニウム厚膜を作製することに成功しました。これは、作りたい膜と同じ成分のドライな粉末を、常温、減圧下で基板に吹きつけることで成膜する技術で、通常数百Pa程度の減圧雰囲気で処理されます。普通に入手できる六方晶構造の原料粉末を用いて、吹きつけの際の圧力などを制御すれば、立方晶構造あるいは立方晶と六方晶の混合構造の膜ができます。この膜は多結晶膜で、各結晶の方位はランダムです。膜厚は、0.5 µmから10 µm程度まで変化させられます。成膜中に基板に加わる圧力が小さいので、ガラスや金属の基板上に成膜が可能です。3.発明者からのメッセージ
立方晶13族窒化物は高熱伝導率や高硬度が期待されていますが、入手が困難でその特性ポテンシャルが良く把握されていません。この発明により、厚膜形状であれば、立方晶13族窒化物がかなり容易に入手できるので、特性の解明が進み、予想もされない用途が見つかったり、より熱伝導率の高い電子基板が作れたりと、広く実用化が進むことが期待されます。
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| エアロゾルデポジション装置の概略図 エアロゾル化瓶内で搬送ガスに原料粉末をのせて、成膜室内で基板に吹きつけるだけで成膜完了。加熱は不要。 |
ガラス基板上に成膜された窒化アルミニウムの膜 寸法は約10 mm×10 mm、厚さ5 µm。 |


