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バイオマス由来成分を原料とする新規エポキシ硬化物

 − 糖類・リグニン・油脂成分を利用した環境適合型エステル系エポキシ硬化物 −

特許 第3837574号(出願2004.3)
特許 第4280888号(出願2001.3)
特許 第4304251号(出願2001.3)

1.目的と効果

 現在石油などの化石資源から製造されている化学製品を、再生が可能なバイオマスから作る試みが活発になされています。この技術は、糖類・リグニン・油脂成分などの植物系バイオマス由来成分を原料として、エステル系のエポキシ硬化物およびこれを利用した粘土成型物を提供します。これらの材料は原料組成を選ぶことによって、硬化物の組成をすべて天然物由来成分で構成することもできます。したがって、この技術はバイオマスの分離工程で大量に排出されるリグニンやグリセリンなどの資源の有効利用に役立ちます。さらに、原料の構成を調整することによって、生分解性などの機能をもつ環境適合型の各種の新材料として利用できます。

[適用分野]
 ● 接着剤
 ● エラストマー材料
 ● 建築資材
 ● ナノクレー複合材料

2.技術の概要、特徴

 この技術は、糖類・リグニン・油脂成分を原料として得られる新しいタイプのエステル系エポキシ硬化物を提供します。図1に示すように、上記のバイオマス成分を多価カルボン酸誘導体に転換した後に、エポキシ化合物と反応させるとエステル系の硬化物が得られます。また、硬化物を製造する際に、粘土鉱物やセルロース・木粉などの植物系粉末や繊維状の固体を充填(てん)して、各種の複合材とすることもできます。硬化条件は、触媒などの条件を選ぶことによって調節できます。また、得られる硬化物の物性は、硬化物の原料組成を変えて制御することができます。

3.発明者からのメッセージ

 糖類、リグニン、グリセリンなどのバイオマス成分の分子中に存在する水酸基をエステルに転換することによって、その耐熱性の向上を図ることができました(硬化物の熱分解温度は約250 ℃)。硬化物の成分組成を変えることによって硬化物の物性を制御でき、有機系・無機系の充填剤を自由に選べます。このため、各種の複合材系硬化物の製造にも応用できます。

図1 図2
図1 成型硬化物の調製システム 図2 糖類およびリグニンから得られたエポキシ硬化物

環境化学技術研究部門
PDF(1.3MB:産総研 TODAY Vol.9 No.10 p.23)

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