1.目的と効果
ジアミン類は医農薬や食品などの幅広い分野で利用されていますが、自然界の微生物には分解できないので、EUでは使用が規制されており、日本でも悪臭防止法で22物質が指定されています。それらの検出法は、主にクロマトグラフィーであり、煩雑な前処理と長時間を要します。この発明では、ナノスケール分子の自己集積化を生かして、種々のジアミン類を選択的に検出するホスト分子を開発しました。これは、低濃度でのジアミンを精密に検出し、さらに迅速にジアミンを定量的に抽出する分子ピンセットとして働きます。[適用分野]
● 食品、飲料中などのアミノ酸分析
● メタボローム解析におけるアミン性代謝物の分析
● アミン類縁体の抽出剤
2.技術の概要、特徴
検出には非共有結合が用いられますが、その相互作用は弱いので分子の動きを十分に抑えることが必要です。ランダムな分子の動きが誘起された場合、分子エネルギーの散逸につながるので、分子の動きを安定にシンクロさせることが必要となります。この発明では、カリックスアレーンに2つのポルフィリンを化学修飾し、ポルフィリンの軸配位能を用いてジアミン類縁体を適合誘導的に捕捉し集積化させました。インターフェースとしてカリックスアレーンを利用することにより、ジアミン類のランダムな動きが抑制され大きな会合定数を示し、ジアミン類の高感度検出および抽出剤として機能します。
3.発明者からのメッセージ
フェノールのオリゴマーであるカリックスアレーンは、劣化しにくい安定性と多機能な超分子性から、種々のインターフェースとして利用されています。ベークライトのミニ版であるカリックスアレーンの超分子ポテンシャルの学術的啓発の時代は終わり、新産業創発への試金石として活用が望まれるステージを迎えています。![]() |
| インターフェースとしてカリックスアレーン、認識サイトとしてポルフィリンを有する超分子は、ジアミン類に対して高選択的分子ピンセット機能を示し、検出素子および抽出剤として有用である。 |

